「ふざけるな!」怒鳴る彼に動きが止まる。何故彼は怒っているのだろう?俺には理解できない。真っ赤になった耳が可愛くて、そこを舐めようとすると強い力で肩を押された。近づけていた顔が遠くなる。俺に押し倒されているドラコは赤らんだ顔で咎める様にこちらを睨んでいた。「なにするんだ…っ」怒気を含めた口調。俺は首を傾げる。「ドラコが慰めて欲しいというからそうしたまでだよ?」素直にそう言うとまた彼は怒鳴る。「どうやって慰めるつもりだ!この馬鹿!」羞恥と憤怒が混ざった真っ赤な顔を見下ろす。俺、ドラコの言う通り馬鹿だから、慰める方法って1つしか浮かばなかったんだ。いつも女の子はこの方法で慰めてるし。男は初めてだけど、ドラコだったら別にいいか、と思って。だから俺みんなに下半身男だなんて呼ばれんのかな。「っ…お前、彼女作ったんだろう」そういうばそうだった。色々めんどくなって、1人だけ女を作ったんだったっけ。でも顔すらも覚えていないし。只、抱いただけ。身体の相性は良かったけれども。その頃からか、ドラコが俺に冷たくなったの。避けるようになったの。元気が無くなってったの。
俺はどちらかというとそちらの方が気になって、すり寄ってくるカノジョの顔すらまともに見て居なかったのだ。「ね、ドラコ、俺が慰めてやるから…」だから元気を出して。再び顔を近づけ、その震える薄い唇に触れようとすると「、ふざけるな!」再度同じ言葉が繰り返された瞬間、俺の視界がぐるりと180度回転した。背中に固い衝撃を受け、スプリングの軋む音が響く。視界の8割は今正に俺の下に居たドラコの顔が占めていて、唇には柔らかい感触が広がる。ああ、キスをされているのか。状況を判断すると、ゆっくりとドラコの首に腕を回す。激しくなっていく口づけに頭がぼんやりとしてくる。形勢は逆転してしまったけれども、お前が元気になれるなら甘んじて享受しよう。でもなんで、お前は泣きそうな顔をしてんだ、ドラコ。



綺麗なほどに逆さまな





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相手の事が好きだったドラコ。
彼女が出来てから気付いたっぽい。
主人公は別にドラコの事好きな訳ではなく、友達として慰めたいだけなんです。
慰め方可笑しいですが(笑)

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これからもよろしくお願いします

Title by 魔女さん
七瀬




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