真実 | ナノ

■ カズマ の
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元々いい家柄の育ちで、両親の言うことを忠実に聞いて育った。
どんなに納得いかないことでも、将来の為と文句ひとつ言わず実行する優秀な子供で、何事も一番の成績をとることが当たり前になっていった。

高校生になったカズマは才色兼備で人望も厚く、誰しもが憧れる存在となっていた。
ある日、自分のクラスメイトに勉強を教えてほしいと頼まれる。
断る理由もないカズマは自分の勉強の時間を割いて、毎日熱心にクラスメイトに勉強を教えていった。
そのせいでいつもテストで首位をとっていたカズマが僅かだが順位を落としてしまう。
自分が首位から落ちたことに動揺を隠せないカズマは、ここで自分は常に一番でいないと気が済まないという事実に気づく。

しかし、教えたクラスメイトの順位が上がっていればまだ救われる…と、彼の順位を確認してカズマはさらに絶望を味わった。
――教えた彼の順位が、最下位だったからだ。
自分が割いてきた時間は何だったのか、こんな奴の為に自分は首位という絶対的な地位を落としたのか。

そして彼のもとへ会いに行くと、そのクラスメイトはへらへらと笑ってこういった。
「やっぱ勉強とか分かんねぇ〜、別にいいわ。」
この瞬間カズマの中で、何かが崩れ落ちていった。

こうして自分にとって「デメリットを与える人物こそが悪」だと決めつけるようになり、自分にとって利益がある行動や、人物としか関わろうとしなくなっていった。












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