あれから8年、俺たちは10歳になった。
俺達が4歳になったばかりの頃、父が病気で亡くなり、それからずっと親戚中をたらい回しにされてきた。

俺の霊感は成長に伴い強くなっていき、妖怪の姿や声が四六時中見える様になった。
それが原因で家を追い出されることも何度かあった。
今回だってそうだ。

もう何回目になるんだろうか。目の前に座る高橋夫婦(今日まで3ヶ月俺達を養ってくれた)に俺達を"次の家"に移す事を告げられる。
すぐに引き取ってくれる親戚がいなかったらしく、父の親友という人がしばらく預かってくれるらしい。





「今までありがとうございました」
駅まで送ってくれた高橋夫婦にお礼をし、葉月と2人新幹線に乗る。
新しい家は大阪らしい。




「葉月」
「ん?」
「本当にごめん」

俺のせいで、何も悪くない葉月まで追い出されたのだ。それも初めてじゃない。

「たか君のせいじゃないよ!わたし大阪行ってみたかったし!」

ふへへと笑いながらなんでやねーん!とツッコミの練習を始める葉月


小さいころから葉月には助けられてばかりだ。(妖怪に追われているといつもどこからか走ってきて妖怪をぶっ飛ばしてくれる)
女の子なのに強くて、いつだって俺のことばかりで、双子なはずなのに俺なんかよりずっと大人で。

ちょっと頭はおかしいけど、葉月と双子で幸せだよ。


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