三人は、近くの喫茶店で落ち着いた。
ディアッカとミリアリアが、並んで座って。その向かいに、カズイが座って。
そう、カズイだ。カズイ・バスカーク。プラントと地球の間に戦火が引かれる最中に起こった、オーブの対連合戦の際、AAを降りて行った、ミリアリアのカレッジ仲間。
戦後、連絡先が分からなくなり、ずっと音信普通状態だった、友達だ。

「で? 何でこいつを付回すような真似、してんだよ」
「えと、その……ミリィと、話、したくて……」

敵意むき出しのディアッカに、カズイはおどおどと答える。

「なら、普通に話しかけろよ!」
「っだだだだだ、だって――」
「ディアッカ! 怯えさせてどーするのよ! カズイも……こいつはちょっと強面だけど、中身そーでもないから、もっと堂々として!」
「……なんでこの状況で、俺が悪者扱いなんだよ……」

納得いかず、ディアッカはふてくされてしまう。
いくらこの場で落ち着いて、いざ話を聞こうとする状況にまでたどり着いても、ディアッカには警戒を解くことが出来なかった。
ミリアリアが全く警戒心を持っていない、というのもあるが……信用できない存在なのだ、カズイは。
昔からの友達だと言われても、彼がミリアリアに対して、恐怖を与えていたことに変わりはない。

それにディアッカは――カズイを知らない。
だからか、どうも身構えて見てしまう。

「で、カズイ……大体、一週間くらいよね?」
「うん。ごめん、ミリィ……この間、偶然街で見かけて、声かけようとしたんだけど、タイミング見つからなくて……それで今日も、ずるずると」
「そっかー……私の方こそ、全然気付かなくて……ごめんね」

――などと、のほほんと会話を弾ませるミリアリアを見て、ディアッカは思った。


〈こいつ、一週間も悩んでたのかよ……〉


どちらかと言うと、今ないがしろにされてるより、一週間も相談を受けられなかったことに哀しさを覚える。

「で? その後どうなの?」
「うん……オーブのカレッジに編入して……何とかやってる」
「そっか。あ、連絡先! カズイの連絡先教えてよ。サイやキラ誘って、今度、どこかで集まろう?」
「え? で、でも……」

途端、カズイの顔が暗くなった。




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