「……んで、ここに居るわけ?」
「だって、会いたいじゃない」

ミリアリアは、電話でディアッカが嘆いたことを、いとも簡単に紡いでくれる。

「それに、ただ渡すだけじゃ面白くないなーって思ったから。いっつも人の事からかって遊ぶんだから、これくらいのドッキリで、グダグダ言うんじゃないわよ」

彼女は、どこまで行っても強気だ。

「んじゃ、そーゆーことだから。帰るね」
「うん、じゃ……って、帰る?!」

沸いた脳ミソだから反応が遅れはしたが、ディアッカはしっかり反応した。


帰る?
これから?
オーブに?!
今、やって来たばかりなのに?!


「待てよ! 普通ここは、家に一泊していくとか――」
「無理。四時のシャトルに乗らないといけないから……」
「四時?!」

ディアッカは本当に――本当に驚いて、唖然としてしまった。
彼女が本当に四時のシャトルで帰ると言うなら、確かに、のんびりしている時間は無い。

恐る恐る、信じられない眼差しで、彼は訊いてみた。

「……もしかして、マジでプレゼント届けに来ただけ?」
「プラス、あんたのアホ面を見に、ね」

してやったり、とミリアリアは笑う。
ディアッカもまた、参ったとばかりに苦笑した。


バースデープレゼントを渡すために、わざわざ地球からやって来た、ミリアリアのパワーに。


「勝てねーなー……お前には」
「私に勝とうなんて、100年早いわよ」


ぴしっ、とデコピンを一撃入れるミリアリア。
直後彼女は、額に注意を向けたディアッカの頬へ、唇を落とした。


それは不意打ち。
小悪魔ミリアリアの、小悪魔らしいお祝い――





-end-

結びに一言
小悪魔ミリアリアさんによる、ディアッカさんへの仕返し劇場(笑)
ちなみにこの後、ミリアリアさんは本当に帰ってます(^^;
ミリィさんのプレゼントの中身は……各自お好きにご想像を←あ、投げた。

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