「分かる? ミリアリア。俺の気持ち」



踊りが終わる。
右手が、目の前に差し出されてる。



「恋を伝える唄、届いた?」



優しく笑うディアッカの瞳が、すごく綺麗で。
舞が終わっても、ドキドキが止まらない。


「あんたって……時々すごい……」
「失敬な。……んー、でも、時々でも良いや。ほんの一瞬でも、お前の気が、俺に向けられるなら」
「おまけに馬鹿よね」

続く言葉に、ディアッカは困り、笑うことしか出来なかった。
馬鹿と言われて、それを肯定するのもどうかと思う。この状況、否定することも出来ないだろう。
苦笑するディアッカを直視しながら、ミリアリアは続ける。


「……でも、そんなとこも、結構スキかも」
「へ?」


予期せぬ言葉に、ディアッカは目を点にした。
聞き間違い――ではない。確かに言った。



「スキ」と。



いや確かに、彼女の心を奪う勢いで踊ったのだが、まさか本当に、その言葉を聞けるとは思わなくて。


驚きミリアリアを見ると、彼女はとても顔を赤くして――手を伸ばしてきた。
それはディアッカの掌に乗る。
指先だけ、軽く。



「参りました」



もう、隠せない。
降参せざるを得ないだろう。
横に立つ勇気が無いとか言ってられない。
全身が、好きと叫んでるのだから。


ゆっくりと、ディアッカの手が、彼女の指先を優しく包み込む。
するとミリアリアもまた、思いを伝えるよう、ディアッカの手を握り返した――





-end-

結びに一言
ディアッカさんの和服をぜひ見たいです(願望)
てか、ここはどこだ??←突っ込んじゃいけない所。
タイトルは[レンカ]と読み、副題が[コイウタ]となります。

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