ただ、ミリアリアは見ていた。
見ているだけ。
音は何も聞こえない。

その場にあるのは、ディアッカの踊りだけ。


何とも言えない衝動が、ミリアリアの中を駆け巡る。


彼が手を動かすたびに、彼女の心はざわついた。
彼が足を動かすたびに、彼女の心は締め付けられた。


狂おしいほどの愛情が、踊りを介し、ミリアリアに伝わる。
届けられる。

どれほど好きか。
どれほど愛しているか。
どれほど――愛されているか。


これは私だ――



自覚した瞬間、目が離せなくなった。



すごく綺麗な舞。
すごく綺麗なディアッカ。


今、私は恋してる。
ディアッカの舞に、恋してる。





――ディアッカに、恋、してる――






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