「あの頃は……一応正義の味方気取りだったからな。
敵を討つのもすぐ慣れたし」
「…………」
「……でも」

急にディアッカの表情が変わった。
険しく、悲しそうに、目を細める。

「今は、使い方が違う気がしてる」
「……使い方?」

思いもよらぬ言葉が飛び出した。
使い方……確かにディアッカはそう言った。

「戦争で使うの、何か勿体なくねーか? あんなに性能のいい代物なんだぜ?
 戦争以外でも、使い道たくさんありそうな気……するんだよな」
「戦争以外……」
「手近なところで言えば、資材運搬とか、宇宙ドッグ建設とか……まー、色々」

考えたこともない話だった。
MSは兵器。
それが大前提のミリアリアにとっては、目から鱗のアイディアだ。

「あーあ、早く戦争終わんねーかなー」
「……そうね」

みんなを守る守護神。
その一方で、たくさんの命を奪ってきた悪魔。
それでも、戦争を終わらせるには必要な力で……
それ以外でも、大きな力を発揮する可能性を秘めた灰色の機体。

視線の先に……未来を見よう。
絶望ではなく、明るい未来を。





ちなみに。
この数秒後、どさくさにまぎれてミリアリアと手を繋ごうとしたディアッカは、指先が軽く触れただけで、勢いよく手を叩き落されている。

その上、こっぴどく怒られた。
まあ……余談ではあるが。




-end-

結びの一言
運命小説ネタで。

お題配布元→ディアミリストに30のお題

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