「何ソレ」

振り向けば、そこにいるのはミリアリア。
彼女の目は不思議そうに、ディアッカの前にあるノートパソコンを追っている。

液晶画面と角度のおかげで、どんなものか見えていないようだ。

「なんでもねーよ」

慌ててディアッカはパソコンを閉じた。

赤いモルゲンレーテのジャケットに身を包んだディアッカと、かわいらしいピンクの軍服を着こなすミリアリア。


ただ今CE71年。戦争真っ只中のAA――


「ふぅーん」

仁王立ちよろしく腕を組むミリアリアは、とてつもなく怪しんでいる。
まさか、裏モノでも見てると勘違いされただろうか。
いやしかし、これを見せるわけにはいかない。



ディアッカは今、ムゥが倉庫で見つけた所持者不明のディスクを借りている。
それは、どこにでもありそうなシミュレーションゲームだった。

ゲームカテゴリー=学園恋愛シミュレーション。

やらないわけにはいかないだろう。
数いる主人公の中から都合よく自分似の男を発見し、自分の名前を登録。
これまた都合よくミリアリアに似た女の子を発見し、名前を変更。

これで準備は整った。

意気揚々と始めて満喫している、ミリアリアとの、それは甘すぎる学園生活。
だから、絶対見せるわけにはいかない。

見せたら一体どうなるのか……

想像するディアッカの背筋に、氷のように冷たい何かが走るのだった――





-end-

結びの一言
こんなオチですみません。

お題配布元→ディアミリストに30のお題

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