「あたまいたー……」

何でこんなに頭が痛いんだろう……そう考えながら、私は水を求めて食堂まで歩いた。
昨日、同じものを求めて食堂に行ったなー……状況は全然違うけど。

お水をもらって、テーブルについて。
あまりの頭の重さに、テーブルに突っ伏してみたりして。

二日酔いって……大変なのね。

まさかたった一口で、こんな状態になるなんて。
起きた当初なんて、吐き気も眩暈もすごかったから、変な病気にかかったんじゃないか、とさえ思ってしまった。

時々、少佐が飲みすぎて苦しんでるのを見て、
「お酒なんか飲むからですよ!」
なんてキツイこと言ってたけど……二日酔いがこんなに性質の悪いものだったとは。

おまけに、飲んだ後の記憶がさっぱりないとくる。
もう二度とお酒は飲むまいと、心に誓ったその時だ。

「お、酔っぱらい発見」

入り口に、ディアッカが姿を見せた。
食堂自体に用があるわけではないらしく、彼は入り口に手をかけたまま、私を見ている。

彼の、まるで真新しいおもちゃを見つけたような目に、私は声のトーンをいつもより下げて応えた。

「……今、まともに相手できる状態じゃないから、あっち行って」

出来ればすごんでやりたかったけど、そんな気力も出てこない。
言うだけ言って、私は再びテーブルに顔を沈め――

「ま、昨日あれだけ醜態を晒せば、次の日のダメージもでかいか」

……今、なんて言った?
あれだけの醜態って……

「あんたあの時――」
――あそこにいなかったのに、何で醜態晒したとか言えんのよ!!

続くべき長台詞は、襲いかかってきた激しい頭痛のせいで、ディアッカに届けることは出来なかった。

でも、抗議するべき所は、ちゃんと押えておかないと。
頭を支え、苦しいながらも声を出す。

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