こうしてディアッカは、心にもやもやしたものを抱えながら、サンタグリーンになりました。 不安をいっぱい抱えながら、子供達に、オーブのみんなに、たくさんの笑顔を届けます。 <もしかして……俺のことなんて、どーでも良いとか思ってんのかな……> 追求されても困ることです。本当のことを言えない以上、どんどん嘘を重ねざるを得なくなります。 いっそ、明かしてしまおうか―― サンタを辞めてしまおうか―― そう考えたこともありました。実際、ミリアリアに嘘をつくのは、とても苦しいことなのです。 サンタでなければ、嘘をつく必要もありません。 クリスマスだって、一緒にいられます。 迷いを抱きながら、サンタは夜空を駆け巡ります。 時には道を歩きもします。その時は、人目に付かないよう、周りに気を配ります。何せサンタなので、人に見つかると大変です。あっという間に人の山に囲まれてしまいます。 その時、サンタの注意力は散漫になっていました。ゆえに、人気の無い住宅街で、避けなければならない事件がおこってしまいました。 人気のない十字路を曲がった瞬間、サンタ事務局とは全く関係のない『人』と鉢合わせてしまったのです。 まずい、と思い、サンタは身を翻そうとしました。けど、目の前に現れた人物に、動きが止まってしまいました。 |戻る0| -20/73- |