ディアッカとミリアリア


優しい時間が流れている。
とてもとても、優しい時間。そこは安らぎの世界。ここプラントにおいて、ナチュラルでありながら、彼女はコーディネーターに優しく受け入れられていた。
それは、彼女が『コーディネーター』の存在を認めているから。その長所も短所も全てを受け入れ、そしてプラントの住人を『コーディネーター』とひとくくりにしないからかもしれない。

「うそ。ルタ君からも届いてるよ?」
「は?! んなもん届くほど親交あったか?!」
「んー……レイ君通じて三、四回話したことあるくらいだけど……ここまで気使わなくても良いのに」

彼女は――ミリアリアは、家に届く祝電の一つ一つに目を通していた。
喜び、はにかみ、時に驚き。

「お、フラガ夫妻からの発見」

ディアッカが取り出した手紙には、二人への祝辞と――彼らの間に生まれた子供達の姿も合った。
とても幸せそうな家族の姿。

「おっさん、良い顔してるなー」
「そりゃ、一課の大黒柱だもん」
「俺もこんな顔してる?」
「全然。頼りなくってどーしよーって思ってる」
「きびしいねー、ミリアリアさんてば」

くくっと笑うと、彼はミリアリアの髪を撫でる。すると彼女の頬は、少しだけ赤くなった。
無意識の中の驚き。思わず赤くなってしまったミリアリアは、どうにかして反撃したい――なんて考えをめぐらせるが、そうこうしている内に、ディアッカの話題はすぐ別のものに移ってしまう。

「そーいやシン坊とルナマリア、俺たちになんかくれるらしいぞ」
「何か――って、何?」
「物は分かんねーけど……結婚祝いにくれるんだと」



結婚祝い。
この家に来ている祝電は、そのために届けられているもの。



「……何くれるんだろう」
「さあ。シン坊の話だと、ミリアリアは問題ないけど、俺はすごく引くかもしれないって……だから、せめて引かないよう心構えだけはしておいてくれって聞かされたから」



そのために、シンとルナマリアは、あるカタログを広げて意見を出し合っていた。



「シン君ってば……そこまで心配しなくても」
「そんだけ少女地味た物なんじゃねーの?」



もう少しで、他人じゃなくなる二人。
もう少しで、家族になる二人。



「良いじゃない。それが二人の『気持ち』なんだから」

ミリアリアの手が、ディアッカの頬に触れる。

「頼り甲斐のある男になる前に、もう少し心の広い男になってほしいかも」
「新妻様の気の召すままに」

その手を取ると、ディアッカはミリアリアを引き寄せる。
星の輝く夜の、柔らかな時間の物語――……



end

結びのコトバ
しめはディアミリで。
本編殺伐としてたので、最後はほのぼの〜っとさせたくて……頑張れだんな様★



ちなみに。
シン&ルナがプレゼントしようとしたのは…



[おそろいの寝巻き]

です(汗)


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