水面



湖面に波が広がっていく。
とある国にある、とある湖での一幕。眼前に湖にを見つけたミリアリアは、辺りに咲く野花で花束を作った。そして悲しみを堪えて花を投げ入れると、力無く泳ぐ花びら達を見守り、別れを告げるよう目を閉じた。
祈るのは――ここに眠る人々への冥福。
しかし、同時に彼女の祈りを邪魔するよう、場に不釣合いな声が響いた。

「終わったか?」
「……あんたも祈りなさいよ」
「もう祈った」

あっさりとした声に、ミリアリアはムッとする。

「短いでしょ」

早く帰ろうとするディアッカに、彼女は非難の視線を浴びせる。
だが、彼は気にしない。

「こーゆーのは、時間じゃねーんだよ」

そう言いながらも、ディアッカは瞳を閉じる。
墓標で囲まれた湖に向かって――




-end-
結びのコトバ
戦場のそば、ある国の湖のほとり、そこに散っていった兵士たち…

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