水面 湖面に波が広がっていく。 とある国にある、とある湖での一幕。眼前に湖にを見つけたミリアリアは、辺りに咲く野花で花束を作った。そして悲しみを堪えて花を投げ入れると、力無く泳ぐ花びら達を見守り、別れを告げるよう目を閉じた。 祈るのは――ここに眠る人々への冥福。 しかし、同時に彼女の祈りを邪魔するよう、場に不釣合いな声が響いた。 「終わったか?」 「……あんたも祈りなさいよ」 「もう祈った」 あっさりとした声に、ミリアリアはムッとする。 「短いでしょ」 早く帰ろうとするディアッカに、彼女は非難の視線を浴びせる。 だが、彼は気にしない。 「こーゆーのは、時間じゃねーんだよ」 そう言いながらも、ディアッカは瞳を閉じる。 墓標で囲まれた湖に向かって―― -end- 結びのコトバ 戦場のそば、ある国の湖のほとり、そこに散っていった兵士たち… - 68 /69- |