レイ×メイリン



メイリンはドキドキしていた。
バレンタインにチョコレート。乙女の基本的イベントに、彼女の心臓は早鐘のごとき音を見せる。
どきどき。
どきどき。
早くレイが出てこないだろうか。
あの玄関が開かないだろうか――

「……何をしているんだ? メイリン」
「ふ――ぅええッ?!」

突然声をかけられ、驚くメイリン。彼女の前には、街に待ったレイの姿があった。
緊張しすぎて、出てきたことに気付かなかったらしい。
メイリンはすぐさま、鞄をあさった。

「……あ、あのね、レイ、これ……」

目的のものを見つけ出し、おずおずと、チョコレートを差し出す。レイはあまり興味無さそうに受け取ると、その場で包みを開き、一欠けらを口に入れた。

「……口に、合わないかな……」
「いや、美味い」

じっと彼女の瞳を見、レイは告げる。

「ありがとう」

その瞬間、メイリンの顔が笑顔で包まれた。





-end-
結びのコトバ
ほのぼの〜にレイメイVD。



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