レイ×メイリン メイリンはドキドキしていた。 バレンタインにチョコレート。乙女の基本的イベントに、彼女の心臓は早鐘のごとき音を見せる。 どきどき。 どきどき。 早くレイが出てこないだろうか。 あの玄関が開かないだろうか―― 「……何をしているんだ? メイリン」 「ふ――ぅええッ?!」 突然声をかけられ、驚くメイリン。彼女の前には、街に待ったレイの姿があった。 緊張しすぎて、出てきたことに気付かなかったらしい。 メイリンはすぐさま、鞄をあさった。 「……あ、あのね、レイ、これ……」 目的のものを見つけ出し、おずおずと、チョコレートを差し出す。レイはあまり興味無さそうに受け取ると、その場で包みを開き、一欠けらを口に入れた。 「……口に、合わないかな……」 「いや、美味い」 じっと彼女の瞳を見、レイは告げる。 「ありがとう」 その瞬間、メイリンの顔が笑顔で包まれた。 -end- 結びのコトバ ほのぼの〜にレイメイVD。 - 61 /69- |