ディアッカ×ミリアリア



「はい、チョコ」
「さーんきゅ」

ぽいっと投げられた包みを頭上で捕まえたディアッカは、ほくほく顔で開いた。
小さな箱の中に、これまた小さなチョコレート。
というか、小さなチョコレートが一粒しか入っていない。

「……なあ、ミリアリア。さすがに小さすぎねえ?」
「そお? 十分大きいと思うけど」

大きいだろうか――ディアッカは真面目に考えてしまった。手にしたチョコは、それこそ彼の親指第一関節ほどの大きさしかない。それに彼女の鞄の中には、自分が手にした包みより、はるかに大きな箱が見える。

「それ、誰にやるチョコなんだ?」
「カガリ」
「俺より姫さんのが大きいのかよ!!」
「…………」

非難の意を叫ぶディアッカ。彼の嘆きを耳に、ミリアリアは満面の笑みで返した。

「当たり前じゃない」

ディアッカが崩れ落ちたのは――言うまでも無い。






-end-
結びのコトバ
ミリィさんの静かな怒り(笑)
小さいと言ってはいけません。

*前次#
戻る0


- 60 /69-