ディアッカ*シホ 「……荒れてんなー……」 ザフト本部。ジュール隊の司令室に足を踏み入れたディアッカは――そのまま一歩、足を引いてしまった。 中にいるのはシホ一人。 なのに室内は、まるで乱闘騒ぎの後のごとき散らかりようで、そんな中に佇むシホは、ドス黒いオーラを放っている。 「……ああ、あんた」 「生気無ぇなあ」 出来ればそのまま退散したかったが、彼女に見つかってしまい、その期を失った。 渋々と、ディアッカは足元に散乱する書類を揃えつつ、全てを見透かす瞳をシホに向ける。 「そんなにイザークが恋しいか」 「分かりきった事訊かないでよ!」 叫び様繰り出される拳は、風を切り、机にめり込む。 「あんただって、彼女が突然一人で旅行になんて行ったら悲しいでしょ?!」 「そりゃあ……あ、でも俺とミリィの場合、遠距離だし、結構事後報告の方が多いような……」 と呟いて、 「つーかお前、イザークの恋人でもなけりゃ、あいつ、旅行に行ったわけでもねーし」 「そんなこと関係ないわ!! 問題なのは、隊長が私を置いて出張に行ったってとこなのよ!!」 ――旅行っつったのお前じゃんか―― という非難の言葉は、かけても無駄なのでやめておく。 「ひどいです隊長―ッ!! こんな愛らしい部下放ったらかして、一人でオーブに長期出張なんてえええええええっ!!」 「今頃、姫さんと仲良くやってたりしてな」 「もおおおおっ! くーやーしーいーッ!!」 叫び――シホは、イザークの机に泣きつくのだった。 end 暴走系シホ。かなり書きやすいです。 - 46 /69- |