※前書き
種軸です。エターナルと合流したのに、AAに乗り続けるディアッカを不思議に思うミリアリアは――……






「……ねえ」
「ん?」
「……どうして…………ううん、いい。聞かなかったことにして」

「んなこと、出来るような空気じゃないだろ。言っちまえよ」

「…………どうして、あんた……AAにいるの?」
「……そんなに不思議?」

「だって、エターナルの方が、居心地良いでしょ?」
「……そうか……?」
「エターナルの人達って、みんな元はザフトにいたんでしょ? だから、エターナルの方が、気を使わなくて良いんじゃないかなーって……」
「俺が? 気を使う?? 悪いけど、俺、AAのクルーに全然気ィ使ってな――」


「うそ」
「――――」
「使ってるじゃない。色々」
「……そんな風に見える?」
「見える。傍若無人に振舞ってるようで、一方に角が立たないよう、かなり注意払ってる」


「なんでそんなこと分かるかねえ……」
「見てれば分かるよ」
「なら、他の奴にもバレてるのかねえ」
「それは……分かんないけど……」

「言っとくけど、エターナルに行っても、あんまり変わらないと思うぜ?」
「……そうなの?」
「こういう性格だから。いわゆる『世渡り上手』って奴?」
「そう……かなあ……」

「それに、フリーダムはエターナルに標準装備状態だぞ? 俺までエターナル行ったら、この艦のMS、ストライクだけになっちまうじゃねーか」
「少佐の強さは、あんたの比じゃいわよ」

「そりゃあねえ……落とされましたからねえ……」
「もしかして、結構傷になってる? 少佐にやられたの」

「当たり前だろ! こっちMSだったんだぜ?! ったく……マジで機体性能を戦闘技術でカバーされちまった状態だぞ? なんっつーかもう……あー、またヘコんできた」
「ご愁傷様」
「ちったあ励まして」
「よしよし」
「頭撫でるって……子供じゃねーんだから……」


「……ねえ」
「ん?」
「エターナルにいても、AAにいても、あんたの気苦労は変わらないのよね?」
「おう」
「それでもAAに残ってるのって、私達のため? 戦闘力の少ない、AAのため……?」


「AAのためっつーか……お前のため?」
「――私?!」


「お前を守りたいから。傍で守りたいから、AAに残ってる。駄目?」
「駄目って……言われても……」

「傍にいられたら、迷惑?」
「……迷惑、じゃない……」

「そっか。……良かった」





-end-
そして、にっこり笑うディアッカさんに、ミリアリアさんはドキドキしちゃったりなんかして――……とゆー、絆がちょこっと深まったお話。



- 42 /69-