ディアッカ&イザーク



※前書き
サボりたいと口にするディアッカ。その内、なぜか話はミリアリアのものへと変わっていって――……





「腹減ったー……」
「まだ休憩時間まで二時間ある」

「それってつまり、間食に抜けるのも許さん! っつってる?」
「当たり前だろう! 貴様まさか、俺公認の下にサボろうと言う魂胆か?!」
「サボるなんて大事じゃなくて……ちょっと一息つくっつーか、一服するっつーか」
「一息は良いとして、一服は立派なサボりだ! 分を弁えろ!!」
「へいへい……あーあ、なんでこんな、口煩い上司を持っちまったんだか……」

「ほほう。俺の部下は不服か」
「不服じゃないっつったら嘘になるな」

「貴様、少しは上司を立てようとは思わんのか?」
「仕事中はちゃんと敬ってるじゃんよー。友達なんだから、普段から気ぃ使ってたら気持ち悪いって」
「今も仕事中だ」
「仕事中だっけ?」
「仕事中だ!! くそ……あの外ハネ娘は、一体どんな教育をしてるんだ……?」


「……イザーク? その『外ハネ娘』って、まさかミリアリアのことか?」


「他に誰がいる?」
「外ハネ娘ってなんだよ、外ハネ娘って!! あいつには『ミリアリア・ハウ』っつー愛らしくも可憐な名前があるんだよ! 名前だけで男落とす力があるんだよ!! それを言うにことかいて、外ハネ?! 謝れ。まずミリアリアに謝れ! そして俺に謝れ!!」

「…………一応訊いておくが、『名前だけ落とされた男』というのは、貴様のことか?」

「なんだよ、その哀れみの眼差しは」
「哀れんでなどいない。馬鹿にしてるだけだ」
「おうおうおう、イザークさんよ。人にケンカを売る時は、冗談通じるネタで売ってくれよ?」
「通じんのか? 今のは」
「全然通じねーよ。ったく……俺の方が哀れみたいよ。ミリアリアの可愛さに気付かないとは、ほんと……損してるぜ、お前」


「いや、あれは『可愛い』より『美人』だろ」


「は?」


「確かに名前は可愛い部類に入るが……表現的には綺麗系だし、しっかりした考え方の出来る女し……年下からもモテて、困ってるんだろう?」
「や、そんなこと訊かれても……じゃなくて、何でお前、ミリアリアに詳しいんだよ!」
「詳しいか?」
「詳しい! 年下にモテるなんて初耳だ!!」

「そーか。お前に話さないことを俺に話したりしてるのか、あいつ……」
「話す? は?! 何? お前、ミリアリアとど―ゆー関係なんだよ!」

「メル友」
「なんで!!」

「俺が貴様の女とメル友になったら、何か不都合があるのか?」
「無い!! 無いけど良い気はしねえ!!」
「我儘もいい加減にしないと、振られるぞ?」
「この相思相愛バカップルに、破局の二文字は無ぇ!!」

「一昨日ケンカしたと聞いたが?」
「――うっ」

「まだ完全に仲直りしてないんだろう?」
「ううっ……」

「まずは素行を改めるんだな」
「……何でお前に忠告されなきゃなんねーんだよ……」





-end-
多分、アドレス交換はミリアリアさんが言い出したのではないかと(苦笑)



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