キラ×ラクス



※前書き
ソファーでうたた寝をするアスランを見つけたキラとラクス。珍しい光景に、二人は思わず立ち止まり――……




「あ」
「あら」
「これはまた」
「珍しい光景ですわね」

「アスランのうたた寝って、あんまり見ないよね」
「記念に、写真でも撮っておきましょうか」

「アスラン、きっと怒るだろうなー」
「でも、キラが撮ったら、そんなに怒らないと思いますわよ?」
「そうかな」


「アスランはキラのこと、大好きですから」


「好きだからこそ怒ることもあると思うけど……」
「好きだからこそ、ですか?」
「好きな人にこそ、されたくないことってあるでしょ? 無い? ラクスは」

「……難しい質問ですわね」
「そう?」


「好きな人を前に、面と向かって『ある』とは言い辛いですわ」


「え、………………えと、えーと…………スキなヒト?」
「キラは、言えますか?」
「ぅ――ええっ?!」
「アスランに、はっきり言えますか?」
「あ、ああ……アスランね……」
「誰だと思いましたの?」
「え――? いや……その……」
「ご安心くださいな。私も、アスランの前では言い辛いですから」


「…………アス、ラン……」


「……どうなさいました? 顔色が優れませんわよ?」

「ううん、別に……」

「……キラ」

「…………」

「友情と恋愛感情は、全くの別物でしてよ?」
「ラクス……?」

「同じ『好き』という言葉を使っても、用途は違いますわ」
「うん……」
「私、もちろんアスランのことは『好き』ですけど、キラを『好き』とは全然違うものです」
「いや、僕は……」
「私、すごく嬉しいですわ。キラ……ヤキモチ妬いて下さったのですよね?」

「……………………」


「私は、キラが好きですわ。友ではなく、一人の男性として、貴方をお慕いしています。キラは私のこと……私に、どんな感情を抱いて下さっているのですか?」


「僕は…………僕も、ラクスが好きだよ。友達とかじゃなくて、一人の、女の子として」


「ふふ……何だか照れてしまいますわ」
「言ったのも言わせたのも、ラクスでしょ?」
「ええ、そうですわね。けど……くすぐったいですわ」

「……そう言われると、すごく恥かしくなってきた……」

「キラ」
「?」
「ずっと傍に、居て下さいね」





-end-
好き、という言葉に翻弄されるキラ。
ちょっとアスランにヤキモチを妬きつつ……好きな人の言葉に一喜一憂(笑)



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