アスラン×カガリ



※前書き
外で待ち合わせをしたアスランとカガリ。けど、アスランが待ち合わせに、15分遅刻して――……





「…………遅い」

「そう言うなら、中に入ってろ。風邪ひくだろ」
「……この炎天下の中、風邪の心配される日が来るとは思わなかったぞ」
「カガリ。良いか? その気の緩みが、体調を崩すきっかけなんだ。頼むから、もう少し身体をいたわってくれ」
「お前は保護者か」
「ほ――……もしかしてカガリ、保護者が欲しいのか?」
「欲しくないと言ったら嘘になるが、お前に保護者面はされたくないな、と」

「どうして?」
「どう見たって、保護者が必要なのはお前じゃないか、アスラン」

「言ってる意味が分からないな。保護者が必要? 俺に??」
「お前、いつもいつも危なっかしすぎるんだ」
「それはカガリだろ? 今日だってそんな、薄着して……」
「暑いんだから、薄着にもなる!」
「いくらなんでも薄すぎだ! 自分が女だってこと自覚しろ!」
「これ、女物だぞ?」
「そういうボケはいらない」
「……ボケたつもりはないんだが……」


「ほら、やっぱり保護者が必要じゃないか」


「アスランだって、待ち合わせに15分も遅刻だぞ?! 迷子になったか心配した、こっちの気持ちも考えろ!」
「つまり俺は、カガリに、こんな分かりやすい待ち合わせ場所にも一人で来られない、方向音痴男だと思われてるのか? ただ、道路が渋滞してただけなのに」
「……下手にボケると、収拾つかなくなるぞ?」
「今のどこがボケなんだ?!」


「……あー、もういい。この話はおしまい!」


「勝手に終わらせるな! まだ話は――」

「おしまいにしよう、アスラン。堂々巡りだ」
「話し合う意味が無いってことか?」
「違うって。私達、同じこと言ってる」


「……そういえば」

「だろ? 同じことで同じように言い合ってる。堂々巡りも良い所だ」
「分かりやすく表すと、似たもの同士ってことだな」

「似たもの同士? 私とアスランが??」
「お互い、保護者が必要なもの同士、だろ?」
「――なるほど」

「というわけで、今日から俺が、カガリの保護者だな」
「はあ?!」
「で、カガリが俺の保護者」

「……でもやっぱり、お前が保護者は嫌だ」

「まだそんなこと言ってるのか?」
「だって、保護者って…………私達、その…………恋人同士、なのに……」


「……ああ、そういうことか」
「なんだ、そのしたり顔は!!」

「可愛いなあ、カガリは」
「うるさい、うるさい〜〜っ!!」





-end-
要は甘々のお二人さん。
恋人は横を歩く人であって、対等な関係でありたいと思うカガリさんの図。



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