アウル×ルナマリア ※前書き ルナのお家に遊びに来ていたアウル。夕方、家に帰ろうと玄関を出たところ、目を背けたくなるような惨状が広がっていて――…… 「うわ、ひど! 最低!!」 「ありゃま〜……こりゃ、手酷くやられたなー……」 「アウル、のんびりし過ぎ! 早くゴミ袋持ってきてよ」 「つっても俺、どこにあるか分かんないし」 「あーっ! そうだ、これが最後の一枚だったんだ……こうなったら、メイリンに買って帰ってきてもらうしかないか」 「そーいやメイリン、どこ行ってんの? 夕方になっても帰ってないって、結構珍しい気が……」 「レイとお出かけ。ああ、でも、かなり気合入れて出てったからなー……今かけて、出てくれるかどうか……」 「メールしときゃ良いじゃん」 「私からだと、無視される可能性大」 「電話でも同じじゃねーの?」 「電話はしつこく鳴らせるから、向こうが音を上げる確率大」 「なるほど。さすが姉妹」 「何?」 「ん? お互いのこと、理解しまくってるなー、と」 「そうかな。私、あの子のこと、いまいちよく分からないけど」 「分からない?」 「怒るポイントとか、ちょっと他の人とずれてるのよね、メイリンって」 「ルナがずれてるんじゃなくて?」 「……今のって、怒って良いところかしら?」 「出来れば冗談で流して欲しいところ」 「じゃ流す。でさ、メイリンって――」 「――ぇえっ?! 本当に流しちゃうの?!」 「アウル……リアクション大きすぎ」 「ルナが小さすぎんだよ〜。もうちょっと真剣に構ってくれたって良いじゃんさー。ほら、俺らって一応『恋人同士』なんだし」 「一応ね」 「強調する所じゃねーって、そこ」 「でも私、過去三回くらい、あんたに別れ話切り出そうとしたし」 「……待て。なんでいきなり、そんなシビアな話が飛び出すわけ? 思いっきり初耳なんだけど」 「当たり前よ。言ってないもん」 「じゃ、今そんな話を切り出した心は?」 「瞬間的に『オトモダチ』に戻りたくなった」 「えええええっ?! 待てまて!! 困る、それ困る!!」 「そんなに困る?」 「困るに決まってんじゃん。俺、こんなにルナのこと愛しちゃってるのに、振られたら立ち直れねーよ」 「なら頭に頬擦りしないで。暑っ苦しい」 「良いじゃん良いじゃん。ただでさえ、目の前には頭の痛〜い問題が広がってるんだから。もうちょっとだけ、一緒に現実逃避しようぜ」 「けどねー……そろそろ動き出さないと……ほら、仲間も来てるみたいだし」 「うわぁお。こりゃまた気持ち悪いくらい沢山来たなあ、カラス達」 「あーあ……生ゴミ、外に出しとくんじゃなかった」 「これは、回収前夜の内に、集積所に出しておこうとしたルナが悪いのかな?」 「……反省」 -end- カラスに襲撃された、ホーク家の燃えるゴミ(T-T) ゴミはゴミの日に出しましょう、というお話か? - 35 /69- |