いえなかった言葉 「まだごめんって言って無いのに……」 ナタルに連れられ、AAを降りるフレイ、そしてムウ……三人を見送ったミリアリアの目には、涙が溢れていた。 「ミリィ……」 「私……わたし、たくさんフレイを傷つけたのに……結局、あやまれなっ……」 彼女はフレイに謝りたかった。 苦しいとき、悲しいとき、近くにいながら力になってあげられなかった自分。そして数日前、自分が捕虜に殺意を覚えたときも、「違う」と彼女を拒絶した。 今なら思う。そうじゃない。拒絶してはいけなかったんだ。 同じ苦しみを知っているのだから……二人は、分かり合える存在なのに。 こんな……喧嘩別れみたいな形じゃなくて、もっと、別の姿があったはずなのに。 降り行くフレイを見たら、何も言えなくなってしまった。 「大丈夫。二度と会えないわけじゃないんだ。次に会った時、ちゃんとフレイと話せば良いさ。な?」 「うん……」 自分もフレイと話したい――そんな思いも込め、サイはミリアリアを励ました。 ――これが、今生の別離になるとも知らずに―― -end- 種時間軸・フレイAA退艦直後のサイ&ミリィさんのお話。険悪な空気のまま別れる事になったのを後悔するミリィさんを。 ラスト一文に全ての書きたい事全てを詰めてます(^^; - 30 /69- |