迷いながら ディアッカが背中を丸めて座ってる。 お調子者で楽観的で、一歩引いた所から物事を冷めた態度で見たり、深く考えないで行動したり……そんなディアッカが、悩んでいる様に見える。 珍しいことじゃない。あいつはあいつなりに、今、自分の置かれている立場について悩みを抱いてる。 討って討たれての世界を変えたいから、ディアッカはAAに乗った。 でも彼は、かつての仲間と、友人と戦うことに迷い……というか、嫌悪感を持っている。 それは当たり前のこと。 ついこの間まで一緒に戦ってきた仲間を「はいそーですか」と迷いなく討てる方がおかしいけど……かと言って、ザフトに戻ってほしいとは微塵も思わない。 ここに居てほしい。 だから私は、背中を丸めるディアッカを見たら、隣に座って、よしよし、と頭を撫でる。 それしか出来ないから。 他に……何も思いつかなくて。 私がそんな態度に出ると、奴は驚いた表情で私を見て、 「もっと慰めて、ミリィ!!」 「調子に乗るな!」 突然抱きついてくるディアッカに、間髪入れずにグーぱんち。 「いってー……もうちょっと優しく扱えって」 「これくらいが丁度良いわよ」 こんなやり取りで元気を取り戻すんだから、ディアッカは不思議だ。どうして、殴られてるのに笑うんだろう。 でも……ま、良いか。元気になったんだから。 その瞬間、ディアッカにつられたのか、私の顔にも笑みが生まれた。 -end- 結びに一言 記念すべき一本目のweb拍手用お礼短編。 誰もが皆、迷いながら戦っている… - 25 /69- |