迷いながら



ディアッカが背中を丸めて座ってる。
お調子者で楽観的で、一歩引いた所から物事を冷めた態度で見たり、深く考えないで行動したり……そんなディアッカが、悩んでいる様に見える。
珍しいことじゃない。あいつはあいつなりに、今、自分の置かれている立場について悩みを抱いてる。
討って討たれての世界を変えたいから、ディアッカはAAに乗った。
でも彼は、かつての仲間と、友人と戦うことに迷い……というか、嫌悪感を持っている。
それは当たり前のこと。
ついこの間まで一緒に戦ってきた仲間を「はいそーですか」と迷いなく討てる方がおかしいけど……かと言って、ザフトに戻ってほしいとは微塵も思わない。

ここに居てほしい。

だから私は、背中を丸めるディアッカを見たら、隣に座って、よしよし、と頭を撫でる。
それしか出来ないから。
他に……何も思いつかなくて。

私がそんな態度に出ると、奴は驚いた表情で私を見て、


「もっと慰めて、ミリィ!!」
「調子に乗るな!」

突然抱きついてくるディアッカに、間髪入れずにグーぱんち。

「いってー……もうちょっと優しく扱えって」
「これくらいが丁度良いわよ」

こんなやり取りで元気を取り戻すんだから、ディアッカは不思議だ。どうして、殴られてるのに笑うんだろう。
でも……ま、良いか。元気になったんだから。

その瞬間、ディアッカにつられたのか、私の顔にも笑みが生まれた。





-end-
結びに一言
記念すべき一本目のweb拍手用お礼短編。
誰もが皆、迷いながら戦っている…

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