カガリ&ラクス



三隻同盟が結集して数日たった頃の話――


金髪の姫君はAAに来ていた。
しかめっ面で、何か考えながら歩いている。


ピンクの髪のお姫様も、AAに来ていた。
こちらもまた心配そうな面持ちで、どこかへ向かっている。



そんな二人が、通路で鉢合わせした。

「ラクス!」
「カガリさん……!」

互いがこの艦にいる事を知らなかった二人は、次の瞬間、「どうしてここに?」と声をそろえた。
一瞬間をあけた後、まずカガリから話し始める。

「いや、ちょっとな……気になる奴がいて」
「気になる?」

その時ラクスの頭をよぎったのは、ついこの間まで自分の婚約者だった少年。しかし彼は、自分と同じエターナルに乗り換えたはず……
では一体誰だ?

「前会った時は、すごく明るい奴だったんだ……でもなんか……今は、無理してる様に見えて……
 私の、取り越し苦労だと良いんだが」
「それで、様子を見にこられたのですね?」

にこり、とラクスが笑う。
その笑顔にカガリは顔を赤くした。

「ま、まあ……そんなところだ。お前こそ、どうして」
「多分、同じ理由ですわ」

カガリの話を聞いて、ラクスはAAに来た目的が自分と同じことに気がついた。
なんせ――全く同じ理由なのだから。

「前に一度会った時は……あんな寂しそうな感じの方ではなかったのですが」

名前を出さなくても互いに感じ取る。
同じ人間を心配している――と。



「一緒に行きましょうか」
「そうだな」


二人は並んで歩き出した。
ミリアリアの部屋へと――





-end-
結びに一言
別々に作ったら同じような話になったので、二人まとめてコンパクトにしてみたり。



- 8 /69-