65000踏 日和様より リクエストテーマ 「ツンデレとは何かをディアさんに尋ねるミリアリアさん」 もしかしたら、待ち合わせ場所が悪かったのかもしれない。 賑わう街中のゲームセンターの前に、十二時集合。それが、本日のデートの取り決めだった。 早めに家を出たミリアリアは、待ち合わせ時間より、十分早く目的地に到着したのだが……その五分後に電話をかけてきたディアッカは、 「悪い! 渋滞に引っかかった!」 交通の便が悪い場所ではない。しかし、車の量が多い=車が進まなくなることも多い場所で。 仕方なく、ミリアリアはゲームセンターの中で暇を潰すことにした。彼女が向かったのは、お菓子のクレーンゲームとか、キーホルダーを落とすものとか……でも結局、戦利品は無く。 ディアッカは来ない。 得られたものも無い。 何となく苛々し始めたとき――ふと、ある機械が目に止まった。 ポスターに掲げられる文字は――相性診断―― 惹かれる様に、足が動く。気付けばミリアリアは、コインを入れて画面と向き合っていた。 診断するのはもちろん、ディアッカとの恋愛診断。 色々悩みながら、一問一問答えていくミリアリアに出された診断結果は、こんなものだった。 ――あなたと彼の相性は70%。 ツンデレ比率をもう少し考えて―― 前置きが長くなりました。 今回のディアミリは、こんなお話――…… 魅惑のツンデレガール☆ 彼女は悩んでいた。 手にするレシートのような紙は、つい先ほど占った[相性診断]の結果である。 相性度70%――まあ、これは良いだろう。付随して色々書いてあるものも、さして気にはならない。 問題は、でかでかと書かれた一文だ。 ツンデレ比率をもう少し考えて――? ディアッカとの相性を上げるためのアドバイスとして書いてあるのだが、どうにもミリアリアは、眉間にしわを寄せてしまう。 ツンデレとは何だろう。はっきり言って、聞いたことも無い単語だ。 言葉のニュアンスから考えようとするが、どうもしっくり来る答えに行き着かない。 「何なのよ、ツンデレって……」 「何? ソレ」 「!!」 突然肩口から声をかけられ、とっさに彼女は身体を竦めた。 現れたのは、待ち人・ディアッカ。 「な、何でもないわよ……」 「いや、全然何でもないようには見えないから。ほら、何か隠してるし」 「隠してない、隠してないっ!」 言いながら、ミリアリアは診断結果を鞄に押し込んでいた。 さすがに見られたくない。二人でやったならともかく、一人でこっそりやった相性診断を見られるのは……かなり恥かしくて。 |