アスラン×カガリ
二人の思いが通じる瞬間


好かれていると思っていた。
こんなに、好き。
自分でも制御出来ないくらい、好き。

好きと言われたことは無いけれど。
いつも優しかったアスラン。
いつも私を見つけてくれたアスラン。
彼も、私を好き……なのかな、なんて、思ってみたりもして。
けど――……

「ねえ、カガリ。こんな所に居ても、何の解決にもならないよ?」
「分かってる……でも」


高い夜空の下、後ろから声をかけるキラに、カガリは呻いた。



「もしかしてアスラン……私のこと、嫌い、なのかな……」



カガリの泣き言は、空に消えていった。




君は僕の暁






事の起こりは、ほんの十数分前にさかのぼる。
なんのことはない。ただ、カガリが格納庫に出向いただけだった。
格納庫に、アスランに会いに来た。今日は泊り込みと言っていたので、夜食の手配をして、そして……顔を見たくなったので、立ち寄ってみた。
ただそれだけのことだったのに、なぜかアスランは不機嫌で。

「……どうした? 何か、あったか?」

心配そうに顔を覗き込んでも、彼は不機嫌な表情のまま、カガリから視線を外して一言放つ。


「何故こんな所に来た?」


言葉と動作、その二つにカガリは驚いてしまった。
何も言えずにいると、アスランは彼女の目を見ようともせず、非難を続ける。

「君は、自分が一国の主だという自覚があるのか?」
「あ――あるに決まってるだろ?! 何を突然、馬鹿げたことを……」
「カガリの行動は、全てが馬鹿げてる」

息を呑む。
何故? どうしていきなり、アスランは自分に対して、こんな否定的な態度を取るんだ?
昨日までは、こんなことなかったのに……

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