リクエストテーマ
「アスカガ」


自分が元凶。
アスランの名を変えさせたのも、そもそも怪我をする羽目になったのも、全部――そう思い込んでしまったカガリにとって、アスランの言葉は理解に苦しむものだった。

「カガリの傍にいたい、って願ったのは俺だ。君のすぐ傍で君を守りたい――……そのためには、いくら亡命したとはいえ、ザフトにいた経緯はまずいし、「ザラ」の名をそのまま使うのは危険だから改名したけど、名を変えることは、新しいスタートを切る良い区切りになったと、俺は思ってる」
「アスラン……」
「俺は幸せ者だよ。大切な人を、こんなに近くで守れるんだから」

アスランは……アレックスはほほ笑んだ。
柔らかく、本当に「幸せだ」と感じているだろう微笑に、カガリから毒気が抜けていく。

「お前って、前から何となく思ってたけど……ほんと、変なヤツだよな」
「そうか?」
「ああ。……でもそこが、お前らしいところでもあるんだろうな」

どこか納得したような、満足げな表情で頷くカガリ――だったが、ふと顔を締まらせたと思ったら、「でも」と注文を付け足した。

「ひとつだけ。今日みたいな無茶はもう二度としないでくれ。毎回こんなことされたら、心臓がいくつあっても足りないぞ」
「分かった。頑張るよ」
「じゃ、約束。……アレックス」

カガリは左の小指を差し出した。
瞬間的に彼は理解し、自身の左小指を絡める。


「ずっと、私の傍にいてくれ」
「もちろん」


無茶しないで。
傍にいて。
そして優しく包んでいてほしい。

ずっと。
ずっと。


永遠に――





-end-

結びに一言
アスランが「アレックス」になってまだ少ししか経ってない頃をイメージして。
ずっとずっと一緒にいよう――それだけが願いだった……

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