リクエストテーマ
「ディアミリ夫婦+子供の甘々ほのぼの話」


「そろそろ離しなさいよ!」
「いいじゃん、くっついてたって」

父さんてば、母さんを離す気無いみたいです。おかげで母さんの目が、私に向けられました。
あれは、助けを求める眼差し。


……娘に助けを求めるって、どうなんだろう……


でも母さんのためなので、私は話を脱線させることにしました。

「ところで父さん、そろそろ教えてよ」

半分は、自分のため。

「三歳の誕生日目前に、私は何を言ったの?」
「ああ……プレゼントの要望だよ。何が欲しいって言ったと思う?」
「……そんなこと言われても、覚えてないよ……」

むくれる私。すると、母さんがひとつ、大きなため息をついて言いました。


「……この人よ」


親指を、父さんに向けて。

「私が、誕生日プレゼント何が良い? って訊いたら、『パパ』って即答したの」

……うそ。全然覚えてない。

「いや〜。俺もいつ結婚できるかハラハラしてたんだけどな〜。お前の一言で、全部丸く収まったんだぞ?」
「は? 丸く――って、まさか私のその一言で、結婚決めたとか――」
「それが、決めちゃったのよねえ」

……母さん、そこはあっさり認めるところじゃない気が……



「だから、××××は俺らのキューピッドなんだよ」



父さんの言葉に……私はたまらず、笑顔になってしまいました。


父さんはコーディネーター。
母さんはナチュラル。
二人が結婚した時――つまり私が三歳当時は、まだ二人種間のいさかいは絶えない時期で。

だからだと思うけど、すごく反対されてたのに……私の一言で結婚決めちゃうなんて。


……二人って……いや、前々から分かってたことだけど………………すごい。


やっぱり二人は、私の憧れです。


父さんと母さんが出会ったのは、戦争の真っ只中です。
もう絶対、二度と起こって欲しくないけど、嫌な事だらけだけど、こんなこと言ったら怒られそうだけど…………少しだけ、戦争に感謝してます。
戦争があったから出会えた、父さんと母さん。
二人が出会ったから、生まれてきた私。

こう考えると、悲しいことだけじゃないと思うんです。
私の両親はきっと、こんな風に考えられてないと思います。

当時を知ってるから。戦争を体験してるから、ちょっとも肯定したくないんじゃないかな、って、勝手に思っちゃってます。

私は……知らないから、こんな風に思えるのかな……
でも、知りたくないな……戦争なんて。



私の名前は××××。
父・ディアッカと、母・ミリアリアの間に生まれて、今日で十五年が経ちました。

私は今、すごく幸せです。
二人の両親に見守られ、争いの無い平和な世界で、とても幸せな生活を送っています。


家に帰れば、温かな明かりの灯る家で――





-end-

結びに一言

初夢にして初夫婦物です。娘は名前で先入観を持ってほしくなかったので、ドリームな形となりました。
…お好きな名前でお願いしますm(__)m←最後に書くことじゃないし。

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