リクエストテーマ
「ディアミリ夫婦+子供の甘々ほのぼの話」


幸福なる家屋の灯り






私の名前は××××。プラントの某有名カレッジに通ってます。
そんな私が学校帰りに寄っているのは……近所のスーパー。大至急必要な物が出来て、調達にやって来たんです。
そしたら、カレッジの友達に会ってしまいました。

「あれ? ××××ちゃん」
「どーしたの? てか、買い物って……大変じゃない?」
「うん。大変かも」

私は苦笑いで返してみたり。
友人二人は、私がスーパーに足を伸ばしたことに、とても驚いています。
まあ、仕方の無いことだと思います。背中には学生鞄。両手には大きな紙袋。これで、どうやって買い物して帰るんだ? という話になるのですが……

「けど、ケーキの材料買って帰らないと……」
「今日じゃなくても良いじゃん。明日とか」
「駄目なの。今日作るから――」
『今日?!』

……驚きすぎたのか、二人の声がハモってます。

「今日って、今日?!」
「うん」
「今日作って、どうするの?」
「食べるの」
「……今日?」
「うん」
『誕生日なのに?!』

この短時間で、ハモり二回目です。

そう。今日は私の誕生日。両手を塞ぐ紙袋には、誕生日のプレゼントが入っています。
なのに私はケーキを作ります。
私も……お祝いしたい側だから。


「今日ね、両親の結婚記念日でもあるんだ」



私の父さんと母さんは、私が生まれてから結婚しました。
事情は……良く分かりません。ただ、周りからすごく反対されてたって。
その原因の一部には「戦争」があるらしいです。

昔、地球とプラントは――ナチュラルとコーディネーターは、悲しい戦争状態にありました。停戦条約とか結んでも、小競り合いは続いていて……でも、安心してください。今は平和です。
平和だから、なぜ「戦争」にまで発展してしまったのか、私には理解できないんです。
当時の事を父さんに訊いても、「××××は知らない方が良いさ」と言って誤魔化します。
最初は、私が子供だから、話しても分からないから話してくれない――そう思ってました。でもそれを母さんに言ったら、「誰にだって、思い出したくないことくらいあるわよ」って言われてしまって……


戦争って、それだけ辛いこと……なんだな、って思って。

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