コンパでGO(学生編)


「今日の飲み会、席離れるからな」
「えーー!? なんでだよ」
「他の奴は俺とお前がつき合ってるって知らないのばっかりだから」
「だからこそ! 俺の存在アピールしとかなきゃダメじゃん」
「いらねーだろ。アピールすんなクソ天パ」
「ダメダメ、お前酒弱いし! 俺の横にいろ」
「いーやーだ! 飲み会は今日だけだけど、今日のメンツはずーーーっと講義被ってる奴ばっかりなんだよ! 今日ハジけたせいで向こう一年恥ずかしい思いすんの嫌だ」
「一年くらい我慢しろ」
「お前が一日我慢しろよ!? なに言ってんだ! びっくりするわ」
「えーーーちょっと、土方ァァア!」



(チクショーホントに端と端じゃねえか土方のバカ!)
(あっちは野郎ばっかだけど、あいつ男にもモテるからなぁ)
(おいおい調子乗って、あああそんな一気に飲み干すんじゃねえよホントやめてお願い)
(周りの奴も飲ませんじゃねえよ! アルハラだぞアルハラ! 教授にチクんぞテメーら覚えてろよ)

「坂田くーん飲んでるぅ?」
「え? ああ、飲んでる飲んでる。お構いなく」
「私坂田くんとお話ししたーい! 坂田くん来年専攻どうするの」
「そうだね。まあボチボチ」
「ねえねえLINEのID教えてー」
「LINEやってねー」
「じゃあメアド」
「メールもねーから。ごっめーん」
「もお! ガード固ーい! ノリ悪ーい」
「はいはい。ごめんねー」

(うっせーよ酔っ払い女! 邪魔! 土方見えない!)
(え!? おいおい土方いねえじゃんどこ行った!?)
(まままままさか)

「土方ぁ。ダイジョーブか」
「あ? ダイジョーブにきまってんだろ」
「次なに行く? 俺ポン酒ぅ」
「あァ? おれもおんなじ」
「お前あんま無理強いすんな。土方ほんと飲める? けっこうキてんじゃねーの」
「ダイジョーブっつってんだろが! ガンガンもってこい」
「俺と同じの飲みたいんだよなー? 本人が大丈夫っつってんだから大丈夫じゃね」
「そっか。そうだな。土方ぁこいつと同じでいい?」
「いい」
「そっかー土方俺とお揃いかー、もっとくっついていいよぉ」
「うー」
「じゃあポン酒飲む人手ェ挙げて。イチニ、サン、ヨン……」

(オイィィイ! 飲み過ぎだっつーの!?)
(横の奴誰だ!? なに肩抱いてんだ離れろォォオ)
(土方もデレデレすんな! 凭れんなシャキッと座……れねえか)
(誰か止めてもう限界だろ! 見りゃわかんだろ)
(あああ目ェ据わってんよ、もうやめてぇぇえ!)

「ちょっと俺、向こうの……」
「ダメー! 坂田くんはこっち!」
「坂田くんて彼女いるのぉ?」
「てゆーかぁ、彼女いてもいいからぁ、私とかどう」
「ハイハイ彼女いないいない。ちょっと通し……」
「えーーーいないのぉ!? 意っ外ーーー!」
「じゃあじゃあアタシ! アタシとつき合おう! ねっ」
「つき合わねーよ! 積極的な女は嫌えなの! 通してくんない!? 俺トイレ!」
「アタシも行くぅ」
「ついてくんな! おめーは女子トイレだろーが!? あっちだよあっち!?」
「坂田くんと一緒に行くーー!」


「土方寝るなー」
「ねてねーよ! ぽんしゅは?」
「もう飲んだだろ。少しインターバル」
「いんたーばるいらねえ! まだのむ」
「もうクタクタじゃん、少し寝とけよ」
「ねねー。まだのむ」
「よっしゃ今度俺な!俺が膝貸してあげる! 寝てていいよ土方」
「ううー」

(なにやってんの!? 次は誰!? 膝枕って、おま、土方ァァア! 寝るな! 目ェ覚ませアホ方ーーー!)
(だから横にいろって言っ……あああ寝るな、膝枕すんなァァア!? それ俺じゃないけどわかってる!? どこに顔埋めてんだよ卑猥なんだよその顔の位置! しっかりしろお願い目ェ覚ましてェェエ!)
(もうダメだ、恥ずかしいとか知ったこっちゃねえダメだダメダメだ)

「あれ? 寝ちゃった?」
「寝たな。案外弱いのかな」
「けっこう飛ばしてたけどなぁ」
「あんま飲み慣れてないとか」
「あー、いつも坂田と一緒だから? そういや坂田は?」
「あっちで女に囲まれてる」
「あーそうかそうか。坂田狙いの女いっぱいいたもんな」
「今頃誰かとデキてんじゃね? 勝負かけるっつってたぞー」
「マジか。落とされたか」
「坂田的にはオイシイんじゃねーの」
「さかたねらい……」
「そうそう、女子が坂田はどうしても呼べってうるさくてさ! あぶれモン同士仲良くしよーぜーなっ、土方!」
「あぶれ……うぅ」
「吐きそう? トイレ行けよ。連れてってやろうか」
「じょーとーだ」
「ついでに俺とイイコトしよっか、あはは」
「じょーとーだ」
「なんかこうして見ると意外と可愛いな土方」
「いつも人睨んでっからじゃね。目付き変わるとかわいーな」
「俺、土方なら一夜のアヤマチあってもいいわ、あははは」
「そーだな! 俺も土方ならいーわ」
「じょーとーだ」
「え、いいの? 女子は坂田に任せて帰る? 帰っちゃう?」
「ぎゃはははは……はっ!?」


「おい。俺が土方連れて帰る」
「坂田!?」
「土方、起きて」
「じょーとーだ」
「全然上等じゃないから。お前食われるぞここにいたら。なにやってんの」
「てめぇはおんなとできてろばか」
「できてないから。ほら土方、こっちおいで」
「……きもちわるい」
「飲み過ぎだっつーの。水……も止めといたほうがよさそうだな。ここ掴まって」
「う……」
「トイレ行くよ。もうちょっと頑張れ」
「ぅう……」
「こいつ連れて帰るけど問題ある? ねえよな」
「……はい」
「おんなは?」
「ほっときゃ別のターゲット見つけんだろ。おもちゃかよ俺は」
「よろしくやってろくそてんぱ」
「はいはい、やんない。おめーも膝枕されてんじゃねえよ。しっかりしろ」
「ああ、土方飲み過ぎちゃったみたいだったから横にならせようと思っ……」
「聞こえたぞ」
「え」
「土方なら一夜の過ちがあってもいいだァ? 冗談じゃねえ、膝枕もダメっつーか、触んな」
「ええ、」
「ほら土方、帰るよ。はいはい、掴まって? そうそう。まだ気持ち悪い? トイレ行こっか」
「いく」
「おめーら明日ちょーっと話あるから。学食集合な」
「えええ」
「返事は?」
「……はい」
「土方、靴履こうな。ここ座って? 寝てていいから足出して。よいしょっと……はいまた起きるよーちゃんと掴まってな。立つよ、せーの」
「う、けほ、」
「あ――もう、首掴まれ。立たなくていいよ、よっ、と」
「……」
「お前ら金払っとけ。こんな飲ませやがって返してもらえると思うなよ」
「ぎんとき……」
「ん、大丈夫だよ十四郎。帰ろうな」
「……」
「じゃあそーいうことでッ」
「……」



「お、お姫様抱っこ……」
「名前呼び……」




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あっ察し、みたいな。

Pilo様リクエスト
「学生パロで同じ飲み会の別の卓で泥酔する
土方さんを見てもやもやする銀さん」

土方くんももやもやどころか爆発してました!
リクエストありがとうございました。




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