安室透を落としたい! | ナノ


▼ 特別レッスンしてもらう

半袖、半ズボンからすらりと伸びる筋肉質な腕と脚。相手コートを鋭く見つめる瞳。そして、ボールを返すときに時折漏れる声。え、何このご褒美イベントと思うくらい眼福な光景に、私はくらりと立ちくらみしそうになっていた。


Challenge6 特別レッスンをしてもらう


「園子ちゃん、ホントありがとう!!!!」

安室さんのテニス姿を拝めたわたしは、隣にいた園子ちゃんの手をがっしりと握って、そのボールさばきに感動していた。かっこいい!!かっこいいです、安室さん!!!さすがイケメンだ。

イケメンは何をしても様になるっていうけれど、やっぱりそれは正しかった。滴る汗すらその美男子っぷりを増幅させる小道具になりうるとは、なんたることや。目の前で繰り広げられるゲームに釘付けになっていたわたしの瞳は、きっと漫画のようにハートマークになっていたに違いない。


ある日の日曜日。わたしは園子ちゃんに誘われ、蘭ちゃん、コナン君、小五郎さんと一緒にテニスをしにきていた。なんでも園子ちゃんは以前、安室さんにテニスのコーチをお願いをしたことがあったらしいのだが、前回はアクシデントが発生して、十分にテニスをする時間がなかったようだ。そこで再度テニスの指導を依頼をしたところ、安室さんから「いいですよ」との返事があり、わたしは園子ちゃんの計らいで、そこに呼んでもらえることになったのだ。

「園子ちゃんには感謝しても、しきれません!」
「これくらい、いいですよ♪私も蘭も、名前さんの味方なんだから」

その言葉を聞いて泣きそうになる。ホント、いい子たちだ・・・。わたしも何かあったら、絶対協力してあげようと固く胸に誓う。

「それにしても安室さん、テニス上手だね。相手の人、ここのテニスクラブ腕利きのプレイヤーって聞いたけど・・・」
「中学のときに何かの大会で優勝したって言ってましたよ?腕痛めちゃって、今はそんな長時間ハードなプレイは出来ないって聞きましたけど」
「運動神経までいいのか・・・。ホント、非の打ち所がない人だな」

わたしたちのレッスンが始まる前に、テニスクラブの人から声をかけられた安室さん。なんでも前回来たときに安室さんのテニスの腕前を見かけたらしく、「よかったら1ゲームだけやりません?」ともちかけられたのだ。安室さんも最初は断っていたものの、相手の人がなかなか引き下がらなかったので、仕方なく1ゲームだけやることに。そんな偶然から、わたしは「安室さんのマジなテニス姿」を拝むことに成功し、すっかり骨抜きにされている最中である。

「・・・ってかギャラリーすごいね」
「ホント。前もすごかったけど、今日の方が多いかも」

チラリとコートの周囲に目を向けてみると、わたしと同様、安室さんに釘付けの女の人たちがたくさんいた。ポアロでの人気ぶりもすごいけど、やっぱりイケメンはどこにいっても注目を集めるものなのか。「キャーキャー言いたくなる気持ちも分かるよ!」と賛同したい気持ちと、「これ以上ライバル増やさないで!」というモヤモヤとした気持ちがわたしの中でせめぎあっている。

安室さんは一体、どれだけ女の人の心を奪えば気がすむんだ。この前は少し離れた高校のJK、あと骨董品屋の奥さん、あと花屋のおばあちゃんまでポアロで働く安室さんに熱視線を送っていたことは記憶に新しい。あ、あとママと一緒に来てた小学生くらいの女の子も顔を赤くしてたな。そこまで考えていると、はたと気づく。・・・いや、正直にいえば、もうこれはモヤモヤの方が上だな。

「あ、終わったみたいですよ?」
「ホントだ」

結果は安室さんの勝ち。1ゲームだけとはいえ、現役プレイヤーに勝っちゃうんだからすごい・・・。相手の男の人は負けたにも関わらず、さわやかな笑みを浮かべて安室さんに握手を求めていた。そのあと、熱心にテニスクラブのコーチにと勧誘しているところを見ると、やはり安室さんのテニスの実力はすごいのだろう。対する安室さんは苦笑いを浮かべながら、「いえいえ」なんて遠慮してたけど。

「じゃ、私は蘭たちの方に行ってくるから、あとは名前さんよろしくね♪」

わたしのことを気遣ってか、園子ちゃんはウインクをして、向こうでラリーを楽しむ蘭ちゃんとコナン君の元へと行ってしまった。そんな彼女に手を振り返し、まだテニスクラブの人と談笑する安室さんをぼんやりと見つめていた。


*****


しばらくして、わたしのいるベンチへ戻ってきた安室さん。ハッとしたわたしは、慌てて側にあった保冷バッグがからスポーツドリンクを取り出し、タオルと一緒にそれを手渡した。

「お疲れ様です、安室さん」
「ありがとうございます。ちょうど喉渇いてたんですよ」

そんな言葉とともに、爽やかな笑顔をいただいたわたしは、胸をきゅんきゅんさせて心の中で悶えていた。もちろん、あくまでも顔には出さず、心の中だけに留めておいたけど、やっぱり安室さんは今日も素敵。「汗を拭く姿すら、かっこいい・・・」なんて思うわたしの頭の中は完全に恋愛脳になっていて、安室さんのやること、なすこと全部がかっこよく見えてしまう。

「安室さんって、テニスめちゃくちゃ上手なんですね。わたし初めて見たからビックリしました」
「僕なんか全然ですよ。さっきの試合も、相手の方にハンデをいただきましたし・・・」
「それでも勝ったじゃないですか!テニスしてる安室さんも、かっこよかったですよ」

わたしの言葉に照れ笑いを浮かべた安室さんは、「ありがとうございます」と返してくれた。そしてドリンクを飲み終わり、タオルで軽く汗を拭くと、立ち上がってこちらを向く。その手にはしっかりとラケットが握られていた。

「さあ!じゃあ、今から名前さんの特訓はじめましょうか」

やる気満々の笑みでそう言われたわたしは、「特訓・・・?」と首を傾げた。今日は園子ちゃんの練習を見てあげるって話だと聞いている。わたしにテニスの特訓が必要な予定など、今のところ見当たらないのですが。

「今度、友だちとテニスに行くんでしょう?初めてやるから、その前に練習を見てほしいという話を園子さんから聞きましたけど」

その話を聞いて、バッと向こうのテニスコートに視線をやると、ニッと笑う園子ちゃんがヒラヒラと手を振っていた。

「・・・・・・」

いやいや、安室さんに個別指導してもらうなんて最高なシチュエーションだけど!!!コーチと生徒みたいな、そんな関係憧れるけど!!!

ちょっと待ってくれ、園子ちゃん。あなたは、わたしの運動オンチ具合をご存知だろうか。きっと、わたしの運動レベルを知らないからこそのアシストなんだろうけど、今回に至っては、それが完全に裏目に出てます!!

無様な姿を見せて、安室さんに幻滅されたりしたら困る。ただでさえ、低レベルな料理スキルのせいで大和撫子から遠ざかってるのに、運動音痴ってバレたらやばい。このままじゃ、安室さんを振る向かせるどころか、ドン引きされてしまう事態に発展しちゃう・・・。それだけは、なんとしてでも避けないと!!

頭をフル回転させて、そんな結論に辿りついたわたしは、とりあえず運動音痴だと知られないように回避するため策を講じる。

「いや、ホントは友だちとテニスする予定なんかなくて・・・。多分、園子ちゃんが気を遣ってくれたんだと思います」

・・・正直に答えることにした。わざわざ気を回してくれた園子ちゃんには悪いけど、個別テニス指導を回避するには、これしかない。ついでに、この場をやりすため、へらりと笑ってみせる。

「わたしはいいので、園子ちゃんのこと見てあげてください。今度、彼とテニスするって意気込んでましたから」

わたしがそう言えば、安室さんはキョトンとした表情でこちらを見る。

「でも、名前さんテニスウェア着てきてますよね。やらないんですか?」

そう言われて、たらりと汗が流れるのを感じた。テニスウェアですか・・・そりゃ、もうバッチシ着てきましたとも!今回、安室さんとテニスに行けることになって、すぐに園子ちゃんと蘭ちゃんに付き合ってもらって一式揃えたもん!だって、スコートとかサンバイザーとか、なんかちょっとかわいいじゃないですか!見た目的に。

かわいいウェアを見て、キャーキャーとテンションが上がったわたしは自分の運動神経なんて、そっちのけでウェア一式揃えちゃったんだよね。あのときの妄想の中のわたしは、ビシッとボールを打ち返す完璧な姿だったんだけど、ふと我に返ってみると、それは幻想だったことを思い出した。まあ、せっかく来たんだし、安室さんが見えないところでコナン君と軽く打ち合いぐらいしてみようかな、とかは考えたけど、安室さんと一緒に、しかも個人指導してもらうところまでは考えていなかった。

ありがたい申し出だけど、醜態を晒すわけにはいかない。自分の無様な姿を見られるのと、安室さんとの個別指導を天秤にかけると、恋する乙女としての選択はひとつだ。心苦しくても、ここはわたしの名誉のために断るしか・・・。

「せっかくですし、やってみません?」

わたしの大好きなさわやか笑顔で、誘ってくる安室さん。キラキラとまぶしい笑顔に、先ほどの脳内審議は一瞬で崩れ去る。

「ぜひお願いします!!」

・・・即答だった。惚れた弱みとは恐ろしい。どう頑張っても、欲望にはあらがえなかった。こうなったら、自分の運動神経のことは忘れよう。ポジティブ思考で考えれば、世の中には運動神経が悪かったり、ちょっと抜けてるところがあったりするドジっ子がもてはやされる文化もあるじゃないか。決して、運動音痴がマイナスになるわけではない。時として、それはプラスに働くことだったあるのだ。

あっけなく安室さんの笑顔に落ちたわたしは、そう自分に言い聞かせて安室さんにテニスを教えてもらうことにした。

・・・のだが、しかし。やっぱりそこは運動神経のなさが足を引っ張ってしまう。わたしと安室さんのテニスレッスンは不運にも、そのあとすぐに中断されることになったのだ。


*****


「いった〜〜〜〜〜!!!!」
「大丈夫ですか?!名前さん」

安室さんに打ち方やファームについて簡単に説明を受けたあと、いざコートに入って1球打ち返してみようというところで事件は起きた。・・・足をくじいたのである。

「ちょっと見せてください」

向こうから慌てて駆け寄ってきた安室さんは、わたしの足元に座りこみ、怪我の具合を診ているようだった。少し強く触られると痛む。あまりの痛さに顔をしかめると「 ちょっと我慢してくださいね」と、さらに足を入念な調べられる。

「骨は折れてないと思いますが、捻ってしまったかもしれませんね。とりあえず、救護室で診てもらいましょう」
「はい・・・そうします」

ああ、なんという失態・・・!せっかく安室さんとのテニスレッスンを楽しむところだったのに、入り口でつまづくとは。数分前に「運動音痴は時として、プラスに働くことだったあるのだ」と言った言葉をすぐにでも撤回したい。・・・残念ながら、わたしの運動音痴はマイナスにしか働かなかったようだ。

「あそこの建物の中に救護室がありますから。そこまで歩けますか?」
「はい・・・っ〜〜〜!」

立ち上がろうとしたところで足に痛みが走って、へなへなと力が抜けた。捻挫なんて高校のとき以来だけど、こんなもんだっけ。そのあと、何度か立ち上がろうと試みたけど、やっぱり結果は同じだった。

「蘭さんたちはガットの張り替えでコートを離れてますし・・・。とりあえず、僕につかまってください」

情けなく座り込むわたしを見かねたのか、頭上からそんな声が聞こえてきた。「すみません」と顔をあげると、なぜだか安室さんの手が座り込んでいるわたしの背中と膝裏に伸びてきているのが目に入った。ん?そのポーズって・・・。

「ええ!む、無理です!絶対ダメ!!」

冷静になって、今の状況を理解したわたしは慌てて安室さんから離れた。今、横抱きしようとしましたよね?!横抱きって、つまりお姫様だっこ・・・!無理だ。絶対、無理!いくら安室さんが力持ちでも、好きな人にお姫様だっこされるなんて・・・「うわ、名前さんって重っ」とか思われたら立ち直れない。

「でも、歩けないんでしょう?」
「そ、そうですけど・・・」

安室さんの言いたいことは分かる。分かるんだけど、そこは恋する乙女心の機微を察してほしい。最近は安室さんが考案した新作スイーツにハマッてて、そればっかり食べてるから、ちょっと体重が・・・。

「どうしたんですか?」

わたしと安室さんがコートに座りこんでいると、さっき安室さんと試合をしていたテニスクラブの人と、そのお友達と思われる人が数人でやってきた。

「少し捻ってしまったようで。今、救護室に運ぼうとしてたんですが・・・」

安室さんの話を聞いて、テニスクラブの人がわたしの足を「失礼しますね」と触る。彼がわたしの足を診ている間、後ろにいた2人はこちらを見ながらこそこそ喋っていた。

「多分、捻挫ですね」
「捻挫・・・」

テニスクラブの人がそう言うと、安室さんは「やっぱりそうでしたか」と言って、こちらに向き直る。

「名前さん、とりあえず救護室まで行きましょう?」

安室さんに言われて、ハッと先ほどまでのことを思い出す。そう言えば、横抱きするやしないやって話してたんだった!「名前さん=重い→恋愛対象外」になるのを恐れたわたしは、それだけは阻止したいと思って「歩けますから!」と立ち上がろうとした。・・・したけど、やっぱり痛いのは変わらない。ズキリと痛む足に、思わずふらりと体が揺れた。

「ほら、痛むでしょう?無理しないでください」
「いえ、大丈夫ですから!安室さんに運んでもらうだなんて・・・」

わたしがそう言えば、テニスクラブの人の後ろにいた1人が「じゃあ、俺が運んであげましょうか?」と割って入ってきた。にこにこと人のよさそうな笑顔を浮かべている彼は、安室さんより体格もいい。この際、安室さんに「重い女」って思われるのを回避するなら、多少の恥は目をつぶろう。赤の他人に、しかも同世代っぽい男の人に横抱きされるのは恥ずかしいけど、それでも安室さんにされるよりは全然いい!よし、決定!

「あ、いいんですか?じゃあ・・・」

運んでくれると言った男性に「お願いします」と返事をしようととき、わたしの体が突然浮遊感に襲われた。

「わっ!!」

気づけば、わたしの体は持ち上げられ、顔をあげると間近に安室さんの顔。状況を理解したわたしは、彼の手から逃れようとじたばたと体を動かした。

「ちょ、安室さん!降ろしてください!!」

いやだいやだと首を横に振り離れようと試みてみたものの、びくともしない。その細腕に、どれだけ腕力があるのか。安室さんがわたしを抱く手からは、逃れることは出来なかった。

「・・・名前さん」

頭上からいつもより低い声が聞こえて、そろりと安室さんの顔を覗きこむ。見れば、口許は笑っているのに目が怖い。

「僕に手間をかけさせないでください」

いつもの笑顔の安室さんとは違い、ひやりと冷や汗が流れる。もしかして、もしかしなくても怒ってる・・・!

「・・・す、すみませんでした」

わたしは一瞬にして大人しくなり、安室さんの腕の中で小さくなった。改めて考えてみると、そりゃ怒りたくもなるだろう。安室さんに重いと思われたくない一心で抵抗していたけど、わたしに興味がない安室さんからすれば、そんなことはどうでもいいことだ。テニスクラブの人にも迷惑がかかっているのに、わたしってば自分のことしか考えずに、ずうずうしいお願いまでして・・・。駄々をこねるだなんて、安室さん相手に随分と子どもっぽいことをしてしまった。

「彼女は僕が連れていくので、お構いなく。それでは、失礼しますね」

頭上からそんな言葉が聞こえてきたけど、自分の犯した失態に頭を抱えていたわたしは、安室さんの方を見ることができなかった。


*****


「・・・・・・」

安室さんの腕に抱かれて、救護室へ向かう途中。とても気まずくて、居心地が悪い。さっきから安室さんはずっと黙ったままで、一向に喋らない。それほど怒らせてしまったのかと思うと、萎縮してしまい、無意識の内に自分の手をギュッと強く握りしめてしまう。あのやさしい安室さんを怒らせてしまうなんて・・・。

「・・・さっきの男性、」

不意に安室さんが話しかけてきた。

「さっき?」
「『運びましょうか?』って言ってきた人ですよ」
「ああ、あの人・・・彼がどうかしたんですか?」

わたしがそう尋ねると、安室さんの口から「はぁ・・・」と小さなため息が漏れた。

「前にも言いましたけど、名前さんはもう少し他人を疑った方がいい。異性に対しては、特に」
「はぁ・・・」

そう言えば前にも安室さんに、同じようなことを言われたことがあったけど。さっきの人どこか変なところあったっけ。わたしが「う〜ん」と捻っていると、またもや安室さんから小さなため息が漏れる。

「さっきの彼、下心みえみえの表情で名前さんのこと見ていましたよ。今日のスカートは短いですから、そういった男には気をつけた方がいいでしょう」
「え、そうだったんですか」
「名前さんは、まったく気づいていないようでしたけどね」

なるほど・・・。そういや、あの人たち安室さんとテニスクラブの人が話してる間、にやにやしながら、こっち見てきてたな。正直、邪な気持ちというものをと自分に対して向けられたことに驚きなんだけど。でも、確かにそういう考えをもっていたんだとしたら、安室さんはそれを察知して助けてくれたというわけか。

「・・・ご迷惑おかけして、すみません」

不甲斐ない。安室さんはわたしを気遣ってくれていたのに、わたしときたら「重いって思われたくない!」だなんて子どもっぽい理由で安室さんの配慮を拒否してしまっていた。

「・・・あと、重くてすみません」

わたしがそう言って安室さんの顔を覗きこむと、パチッと目が合う。思った以上の至近距離にじわじわと頬に熱が広がっていく。対する安室さんは驚いた表情を見せたあとに、「ああ」と呟いて口許に笑みを零す。

「言ったでしょう?僕こう見えて力持ちなんです。名前さん一人抱えるくらい、どうってことないですよ」
「いえ、決して安室さんが非力そうに見えるとか、そういうわけではなくてですね・・・」

そんな会話をしながら、目的地である救護室までの道のりをゆっくりと歩く。安室さんとのテニスはお預けになってしまったけど、私の運動音痴具合を曝け出して幻滅されることも回避された。そのうえ、お姫様抱っこだなんて女子の憧れシチュエーションを体験できているのだから、今日の収穫は大きかった。協力してくれた彼女たちには、またなにかお礼をしなければと心の中で感謝しながら、わたしは上から降ってくる安室さんの声に耳を傾けていた。

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