薔薇輝石:2
琥珀には、会いたい。でももし、要らない、って言われたら?幼い頃の戯れだと、血の迷いだなんて突き放されたら?冷めた、凍てつくような視線を向けられたら?だって…、僕は……どうしたらいいの?
「こんにちは、話は聞いているよ。書類を」
手にしていた書類を副会長に手渡す。彼は確かに、と頷き確認するとこちらに向き直った。
「ところで、どうかな?学園生活は。君は高等部からの外部生だって聞いたんだけど。もう慣れた?ここはすこし変わっているから」
「えっと、まあ……」
はっきりと、変わっていますよね、というのは憚られて、失礼になるだろうと思い慌てて言葉を飲みこんだ。それに気付いた副会長が可笑しそうに笑う。
「ちょっとじゃないよね。僕も外部生だったから分かるよ。なにか困ったことがあったら担任の先生や風紀に相談するといいよ」
風紀には相談係もいるみたいだし、担任の先生や部活の顧問の先生も親身になってくれるよ。副会長が楽しそうに付け足す。
「それとも今、ここで良ければ僕が相談に乗るよ?」
秀麗な顔立ちに至極楽しそうに微笑んでいる。悪いひと、ではないんだろう。たぶん、同じ高等部からの外部生だという仲間意識のようなものが働いているのかもしれない。
「じゃあ、お願いがあるんです。」