翠雨 | ナノ


翠 雨  


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黒曜石:3



「おい、またか」

「……だるい。」


 夕飯になって呼びに来たのであろう久住の声に一言だけ返す。


「夕飯、食べるか。なんなら粥つくるぞ」

「うん、お願い。しんどいから、食べるのも面倒くさい」

「おい」


 久住のツッコミを無視してもぞもぞと布団にもぐる。体温計も渡されて測ったけど、平熱より少し高いくらいだった。でもとにかく怠い。泣き疲れたからなのかもしれない。

 琥珀、会いたい。会いたいよ。

 琥珀を求める想いだけが胸中で膨れ上がって、飽和してしまっている。苦しい。助けて、琥珀。この想いをどうにかしてしまわないと潰れてしまいそうなんだ。
 気付かぬうちに目から溢れた涙が枕を濡らした。




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