珪孔雀石:3
もうすぐ雨期がくる。
ゴールデンウィーク明けの集会で兄と同じ学園に通っていることが発覚したけれど、迫る中間テストへの勉強へと集中すれば良かったから深く考えることはなかった。そして中間テストが終わってしまった今、思考の海へと埋もれる他なかった。
兄へ、琥珀へと再会できて嬉しかった。集会での、兄のあの時の姿を思い出すだけで涙がこぼれ落ちそうになる。
会いたい。触れたい。言葉を、交わしたい。名前を呼んでほしい。
琥珀、琥珀。どうして僕たちは離れてしまったんだろう。こんなに焦がれているのに…。
ねえ、琥珀。僕が同じところに通っていると知ったらこの湧き上がる狂おしいほどの想いを持ってくれるだろうか。
寝台のなかで身を丸め、頬を涙で濡らした。