「な、何か変ですか?!焦げてると思ってます?」

「いえ。名前が私の為に作ってくれたんだと思うと、嬉しくてつい顔がにやけてしまいました……」

口元を隠し言う明智に、名前は真っ赤な顔をして両手で顔を隠した。

「お茶も入りましたし、戻りましょうか」

「…………はい」

二人は、ソファに腰掛け名前のクッキーを食べながら話に花を咲かせる。
最近あった出来事や、友達と行ったお店の話等を楽しげに話す名前に明智は不思議な気持ちを抱いた。

(……いけませんね。なかなか会えないからと、友人に嫉妬するなど、私らしくない……)

フッと笑みをもして、名前の手を握った。
突然、手を握られ名前はびっくりした様に明智を見たが、直ぐに微笑み明智の指に自分の指を絡めた。

「今日の健悟さんは、甘えん坊さんですね」

「………すみません」

「いえ!責めてるんじゃないんです。……甘えてくれて、嬉しいんです」

明智の手をぎゅっと握り、名前は柔らかく笑った。

「年下だし、美人じゃないし……頭もいい訳じゃない。健吾悟さんが忙しくても、何の役にも立てない………でも!こうして、傍にいてくれて……こうして、手を握ってくれて。私、本当に幸せです」

えへ、何だか言いたいことがよく分からなくなってますね!
と笑いながら名前は明智の方へ近より肩に頭を乗せた。
伝わる温もりと重みに、明智は強く名前の手を握った。

「………まったく、名前には敵いませんね。先程まで、楽しそうな話に出てきた名前の友人に嫉妬していたと言うのに、たった一言で幸せにしてくれるのですから」

私も、存外単純なのかもしれませんね。
そう笑う明智に、名前は笑みを向ける。

「お互い様なんですね」

「そうですね。でも、名前を想う気持ちは凄く強いと思いますよ?」

「あー!言いましたね?私だって、健悟さんを想う気持ちは負けませんよ?好きな気持ちなら、私の方が強いかも………」

あどけなく笑う名前に、明智は微笑み顔を近づける。
名前も、明智の意図に気付いた様に目を閉じた。

君が傍にいるだけで、私は何だって出来るから。だから、ずっと傍に居てください
(今日のキスは少し乱暴ですね?)
(久しぶりですからね。抑えがききません。もう一度良いですか?)

二人の休日は、始まったばかり
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