二人の出会い編


その日、彼(彼女)は伊達の私有地から必要な木材(庭用)を切り出した帰りだった。
(あ、大丈夫です許可は取ってあります。政宗様の顔色?いつも通りでした大丈夫大丈夫)

手伝いに借り受けたリーゼント集団と仲良く切り出し作業を終わらせ、お城へ帰ろうと思った景臣さん。
太い丸太を軽々担ぐ彼に喉の奥から飛び出す悲鳴を堪えた一人が「俺達は大丈夫なんで、先行っててくだせえ」というのに快く頷いて彼なりに爽やかに微笑んで歩き出す。


えっほえっほと嬉しそうに帰る景臣の頭の中はもうガーデニングの事で一杯。ウッドデッキとか楽しみだなあ、とホクホク顔。
自然と歌も飛び出す始末。
しかも選曲が「静かな湖畔」だったので、

「しっずかな湖畔の、もーりのかげからもう起きちゃいかがとカッコがー鳴くー、カッコーカッコーカッコカッコカッコー」

一人でとてもノリノリでした。
政宗様達が見た瞬間に驚愕の表情を浮かべそうな程、凶悪にノリノリです。思わず「誰か!彼と輪唱を!」と言ってあげたくなる位。


―――と、そんな天の声が通じたのか、はたまた偶然か。森の影から景臣に続くよう歌が聞こえて来る。奇跡です。思わず歌も引っ込みました。


「―――へ?」
「…えええ?」


森の影から景臣のノリについ輪唱に乗ってしまった人物もビックリ。戦国時代で「静かな湖畔」を歌える人なんて…、もしやまさか、と。

こうして輪唱の奇跡と導き(?)によって二人の転生者は出会ったのでしたー。


「馬鹿みたいにノリノリで歌ってるから、どんな野郎かと思ったら丸太抱えた熊だった」

「出て来た瞬間、あ、熊だと言われ軽く一週間は落ち込みました。…今でも忘れられません」


―――*

出会い編。
奥州に何で来てたのかのかと言うと兄に強引に連れられて来たから。振り切って逃げて隠れていた所に弟と出会いました。
奥州で本格的にガーデニング環境整えたい弟。

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