好き嫌いはいけません 1


腹が減っては戦は出来ぬ。
ご飯がなけりゃ団子を食べたらいいじゃなーい(By 三郎・アントワネット)。

でもでも! 俺は味噌汁が飲みたいんですお腹空いたーー!! 寝る子が育つ為に先ずは、ごはんが必要不可欠なのです。……でも、

「三郎様。はい、あーん」

それはちょっとこの場では勘弁して下さいよオカーン!! ちょ、みんな見てんじゃねえか! 佐助も佐助でにこにこ嬉しそうにしないでぇえ! その和えもの俺苦手だって知ってるでしょー?!



寝不足が限界に達し、瞼に重みを感じたのはちょっと前。

いやっほうめしー! と喜んでいたので元気よく歩いていた俺。でも、元気よく、と感じていたのは俺だけだったみたいで。直ぐに佐助に「ふらふらして危ない」と強制的に抱えあげられそのまま連れてこられてしまった。

途中で片倉さんにおはようございますしたつもりだけど、言えたかあんまり自信ないです…。でも朝から迫力満点だったぜえ。
(夢吉のふさふさをすりすり堪能したことは覚えてんだけどね!)


ぼけぼけとした頭でみなさんに挨拶して。毛利さんと幸村の間に着席した。…毛利さん、何か気が立ってるみたいだけど、どうしたのかなあ? んー。


「あにゅうえ…だいじょ、ぶ?」
「む、無論。三郎こそ眠たそうではないか」
「へーき…………ぐー」
「三郎様、まだ寝ないで」
「にゅお…! ね、ねてない!」

いや寝てたであろう、でしょう。というツッコミを兄主従から頂いた。……む、無実だ!


ぷんと前を見れば俺用に小さな御膳。一汁三菜のいつもよりちょっと豪華な朝餉。ちょ、俺の苦手な山菜の和えもの付いてんですけ「頑張って食べようね」……う、はい。

手を合わせ、小さな声でいただきますして箸をとる。お、おおお? 俺と幸村の間で夢吉さんが真似をしてるじゃないか。かわいいなあもう。

「おいしーい?」
「キキー」
「きゅーり、どーじょ」
「キッ!」

ちいさなおにぎりを夢吉が頬張る。はいどーぞと、昨日の朝餉と同じ様にお漬物を仲良く分け合った。それを周りが微笑ましげに見ているとも気付かず、米粒ついてるよーと取ってあげていた。


幸村背筋真っ直ぐだけど顔色悪いなー。二日酔いかなあ?
政宗ぼーっとしてるけど朝弱いのか。終始無言で食べてるけどちゃんと味分かってるのかな?
アニキは風邪も引かずに慶次と仲良くご飯食べてんね。てか二人とも昨日あんだけ飲んだのに……すごい元気ですね。戦国酒豪達めぇ。


ちびちびとご飯を口に運びながら(佐助による補助付き)周りを見てのほほん。お館様と幸村の会話も右から左へと素通り。

今、むずかしいお話は脳がうけつけませーん。俺の敵はこの和えものなのだぁ! とうー!

まえもくじつぎ
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