死神VS悪魔


死神VS悪魔…もしやコレは、随分と珍しい光景なんではないかと思うんだが…、



「ククク、随分と殺る気ですねえ…」

「……、」


明智が口を開いた瞬間、小太郎の殺気が濃度を増す。

「こた…――ッ、」

これはヤバい…と、二人の間へ出ようとするが小太郎がそれをさせない。否、出来なかった―――がっちりと、掴まれてしまったからだ…今度は腰を、

成程、次は腰か等と考える間もなく視界がブレ、あっという間に明智から距離を取っていた。その際ぐえ、という情けない声が思わず漏れそうになり我慢我慢と耐える。

そのままの体勢は辛いが、とりあえず今は小太郎の好きにさせてみようと口を開くことは早々に諦めた。


「ああ…そうですか、…そうでしたか、ふふ」

「……、」

「意外と優しいのですね、伝説も」

「――…(フンッ)」


…訳の分からない会話が二人の間で成立している。実は顔を上げても髪で見えないから、俺からは二人の表情は窺えない。
ああ糞、髪くらい縛ってから出てくるんだったな…、

会話から置いてけぼりの俺は抱えられたまま…蚊帳の外は続いている。

――すると、


「秀長、」

「――…なんだ、」


突然名を呼ばれ(いきなり呼び捨て…)戸惑いながらも苦しい息の中返事をする。

明智が名を口にした途端に不機嫌な空気を醸し出した小太郎を抑えながら、次を待つ。


「残念ですが、どうやらここでお別れの様です」

「の、ようだな…」


ありがたい事に、とは声にせず…だが感じているだろう明智は最後に、


「では、お気をつけて…また会いしましょう…」



 “ 双頭の梟殿 ”



そう言い残して、振り返る事無く闇に消えていく姿は直ぐに見えなくなる。

気配が途絶えると、やっと俺の足が地に着いた。…以外にこの持たれ方は辛い、

ムスッと真一文字に引き結ばれた小太郎の口はいつもよりキツく、不機嫌に見えた。表情の乏しい、寧ろ動かない小太郎の珍しい様に首を傾げる。

そんなに明智が気に入らなかったのか…、まあ俺もアイツは苦手だな、

そう思い宥めるように頬を軽く叩くと、

「――…はぁ、」

溜息を吐かれた、



すまない小太郎、元気を出してくれ。

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