(主N暗→甘、玩具・放置・本番無し)

すれ違いの理由








「ひ、ぐ………っ」

日が落ちたにも関わらず、明かりもついていない薄暗い部屋


フローリングの冷たい床に体を預けているNからは、絶え間なく悲痛なうめき声があがる

その姿は酷い物で、衣服はまとわずに秘穴には太いバイブが埋まっており、両手は縛られている



「…っん……あっ、………あ、ふ」

何度イッたかわからない。
弱々しくも立ち上がる性器からは、既に出つくした白濁液が透明に近い色になり溢れ出している。
取り出そうにも、拘束された手ではそれはかなわない


―何より、勝手に取り出しなどしたらどうなるか


快楽と疲労でぐちゃぐちゃな頭を必死に回転させながら、自分がどうしてこんな状況になったのかを思い出す





ああ、そう。
全ては、彼が僕の部屋に来た時から。


最初はただ彼が自室へと遊びに来ただけの話だった。
少し僕だけが席を外し、部屋へと戻った時

「あ、おかえり。ごめん、勝手に引き出し開けちゃった。」
「引き出し…?」
「うん。で、そしたらさあ、こんなの見つけたんだけど……」

そう言って、怪しげな笑みを浮かべるのは、Nを今現在のような状態にした真犯人


「トウヤく……………!か、返し…………」
「バイブ……だよね。
こんな太いの…、何に使うの?」


トウヤは、光を反射してピンク色に怪しく光るバイブをふりふりと見せつけるようにNの目の前で振る

Nの顔は真っ赤になり、体は震える


「あ、……それ…は…………」
「言って。」
「………………さみし、時、に」

「俺じゃ不満なんだ」

「ちが………ひ、っ…!」
豹変した暗くて冷たいトウヤの目に、Nは思わずひきつった悲鳴をあげる


「…あ、やめ、トウヤ君……!」

無言でNの服を脱がしていく

有無を言わさないトウヤのその様子に、抵抗もできずにただただ従うN


数分後には、衣服は全て脱がされ腕までを拘束され、バイブを挿入された今現在の姿


「………せいぜい楽しんで」

「や、あ……取って………!!トウヤ君、や、これ、外し……………」
「あ、勝手に取ったりしたら絶交だから」
「え……っ、や……そんな…!」

トウヤは、恥ずかしい姿で涙をぼろぼろとこぼすNを見て目はそのままに、口だけでにっこりと笑い部屋を後にした


「あ、あ、置いてか、な…………ん、あっ!……う……ぁあ、……」

ヴヴヴ、と低い機械音を響かせながら、振動やスイングを繰り返すバイブ

あまり慣らさずに挿れられたため最初は痛みがあったが、もうそれも下半身の甘い悦楽にかき消された


機械の疲れを知らない愛撫、その快楽地獄に身を預け、ただただNはトウヤの帰りを待つ事しかできなかった





そしてNが放置されて2時間ほど経った頃、再び部屋の扉が開いた



「………………………」
「あ゙、ぁ…………ぅ、…っ………」




待ち望んだ姿に、痺れてうまく働かない体を動かしトウヤの方を向く


パチン。と明かりがつけられると、
おぼろげで焦点の合わない瞳が眩しそうに揺らぐ


「………ただいま、楽しんでた?」


涙と鼻水、その他色んな液体でぐちゃぐちゃになったN。
必死に喋ろうとしても呂律が回らず、うめき声にしかならない

「………う、ぅ………、ん、……っ」

「何、聞こえない」
「……………あ、あ…………ごめ、………………ごめ、……ん…………あ…っ」
「……………何が?」
「…………ぅ、あ゙…………トウ、ヤ…ぐ………………ごめ…………なさ、ごめ…………ん…………っ…!」

「N、ちょっと」
「………………う、ぅ…あ……」

しまった

やりすぎた。



Nの様子を見て焦ったトウヤは、Nのナカでどろどろになっているバイブを外して拘束を解くと、力の入らないその体を思い切り抱きしめた

「N、ごめん、やりすぎた。」
「トウヤ、く…………」

「ほんと、ごめん………俺酷いね、N…ボロボロだ………」
「あ、そん、な……トウヤくんは…」
「……我を忘れたからって……こんなの………ごめんね、ごめん……」

そう言って、トウヤが優しくキスをすると、それを引き金にNは壊れたように泣きじゃくる


「ぅ、え゙っ………ぅう、うえぇ、…ド、ウヤ…く…………っ!」
「ごめんね、怖かったよね。」

「僕………、ぅぅ…゙………、嫌われ、たと……思っ、て………っ…」

「え…」
「怖かっ、た………トウ、ヤくん……………ぼくに…幻滅、したとおもっ………ぅ、えっ、」
「……N…」
「……僕、トウヤく、に、嫌われたら…、も……」

「違うよ、Nは悪くない………ただ、ちょっと悔しくて………………」
「………?…」

ぼさぼさな頭を撫でてやると、次第に涙も止まり落ち着きを取り戻していく

「いや…俺のじゃNを満足させてあげれてないって思ったら……さ、悔しくて。……八つ当たりした、ごめん」

「そんなんじゃ…」

「いいよ。だって、アレ、俺のより…………大きいし………」
そう言って、気まずそうにバイブの方を見るトウヤ


「え…………?」
「………俺のって、Nの事満足させれないのかなー、って思ったら…なんか……」
「………………………っ」


トウヤがそう言うと、いきなり顔が真っ赤になるN。
トウヤが顔をのぞきこむと、さらに顔を赤くしながら唇をふるわせる


「トウヤ、君…………その……………………」
「いいよ、もう。」

「違うんだ、それ、………

なんていったら…………

それ、トウヤ君が………大きくなった時のサイズと、……同じ………………………」



そう言い切ると、もう無理。とでも言いたげに赤い顔を隠しながらそっぽを向く




「…………え?」

「…………………だからっ、トウヤ君を………あんまり求め、る…?というか、あんまりヤリたいヤリたいとか言って、嫌われたら……って思って…」

ぽかん、と口を開けるトウヤ


それは……………………………
もしかして…………



「じゃあ全部、俺の……、
……勘違い…………………?」
「え?いや、勝手に一人遊びしてたのは、僕だからね…」
「……………………」


「……………僕、トウヤ君が好きで好きで、いつも欲しくなって……………足りなくて……、………ああ、ごめん。こんなの、変態だ……」

「じゃあ、俺も変態だね。」

「へ?」
「俺だってNのこといつも欲しくって欲しくってたまらないよ。
だから今回の事は余計に……さ、なんか溜まってたのが爆発しちゃったんだと思う、ごめん。」

「Nの事、嫌いになんてなるはずないから…………」
「……うん…………」


お互い気を使って、勝手にすれ違ってただけだね。そう言ってトウヤが笑うとNもそれに答えて小さく笑う



そして、トウヤはふと気づいたようにバイブを手に持つ
「もう、これは没収」
「ええっ」


惜しむような顔をするようなNに、少しだけむっとする


「そんな顔しなくても、今度は本物でNが満足するまで………してあげるから。」
「……………っ」

耳元から聞こえるSっ気たっぷりの声に、ぞくぞくと体をふるわせる。



いつでもどこでも。まあ、Nだけが満足しても、離してあげないかもしれないけど。ね。」

そう言って、もう1度深いキスをした






end


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