あんまり要素ないけど学ぱろ
レッドさんの一人称が「僕」です
※完全百合でちょっといかがわしい




























勉強をしよう、と誘った部屋で、ふと顔を上げると向かい合って座っていたはずのレッドがいつの間にか視界から消えていた。
こういうことは、初めてではない。
考えられることとして挙げるとするならば、勉強に飽きたレッドがローテーブルの下に潜ってオレを驚かそうとしているか、単純に寝落ちしているかのどちらかだ。
そんなに長い間、数式に集中していただろうかと身を乗り出すと、つんつんと背中をつつく感覚がある。
どうやら、先に述べたどちらでもないらしい。
まさか、いつのまに背後にまわっていたんだ。

「グリーン」

なに、と振り返る間もなく、レッドがぴたりとオレの背中にくっついてきた。
絹みたいな黒髪がさらりと首筋に垂れて、少しくすぐったい。
体をずらして首を少し傾けてみれば、いつもよりも表情の柔らかいレッドが、床に敷いたカーペットにぺたりと腰を下ろして、オレを見上げている。

(ああ、もうそんな時期か)

オレは緩む口元を押さえて、レッドのさらさらの髪に手を伸ばした。
すりすりと肩口に寄せてくる頭を撫でてやりながら、そろそろそういう時期だなと一人納得する。
どうやらこいつには、生理が近づくと甘えたがりになるという習性があるらしい。そういう時には声色と態度でそれを示してくるから、普段の凛とした雰囲気とのギャップに、オレはいつも落ちそうになってしまう。

「グリーン」

「ん。どうした?」

「ううん、なんでもない」

…正直、めちゃくちゃ可愛い。
学校でも、クラスにいても、それがたとえオレ相手だとしても、こんな緩んだ表情は滅多に見れるものではない。
それくらい、感情をあまり表に出さないレッドが、二人きりのこの部屋で、存分に自分に甘えてくれる。
こんなチャンスが他にあるだろうか。
オレが男だったなら、きっと今すぐにでもこいつを拐って自分だけのものにしているだろうに。
しかし残念ながらオレは男じゃないし、ましてそういった攻める側でもないのが現実だ。

「っ、ちょっ、レッド!」

「…ちょっと大きくなったね」

ごく自然な動きで、レッドの華奢な手がするりとオレの胸の位置に移動してきた。
油断も隙も、あったもんじゃない。
ことあるごとにオレの胸に手を伸ばしてくるレッドもどうかとは思うが、僕ががんばった成果かな?なんて、くすりと笑ったレッドを殴れないオレもオレだ。

(お前の方が、大きいくせに…!)

現に、背中に当たる感触が、明らかにレッドの胸の方が豊かだと伝えている。
けれどレッドは、「グリーンのが、ちょうどいい」なんて言ってオレの反論を許してくれない。

「グリーン、かわいい」

つう、と項を唇でなぞられて、思わず肩が震えてしまう。
かわいいのはお前の方だ。
甘えてくる時のとろんとした目も、後ろからオレを包む体の柔らかさも、レッドの方が断然魅力的なのに。
しかし今のオレに、甘えたい時期らしいレッドをふりほどくだけの勇気はない。

さてどうするべきかとあれこれ模索しているうちに、後ろから伸びるレッドの手が背中越しにオレのワイシャツのボタンに手をかけてきた。これはさすがにまずい。

「ばっ、おいレッド!!」

あわてて振り返ると、ボタンをはずしていく手とは別の手が伸びてきて、するりと首にまわされた。
そのままレッドの顔が近づいてきて、唇を塞がれる。
相変わらず、柔らかいよなぁなんて呑気に考えている自分に渇を入れたい。
向かい合って座った形に体勢がなおり、レッドの手はいよいよブラのホックを外しにかかっていた。
キスくらいでこうも簡単に意識を持っていかれるオレって、なんだ。
そのまま直接肌をなぞられ、思わず身震いする。

「レッド、やめ、」

「やだ」

反抗しようと開いた口に、舌が差しこまれてきた。
やばい。非常に、やばい。
普段こういった行為に及ぶ時、大抵オレはレッドの熱を持った目だとか独特のフェロモンにやられて受け身に甘んじてしまうが、今回は少しばかり具合が違う。
なんたって今日のレッドは、甘えたがりだ。
たとえいつものごとく攻められたとしても、そんなに上気した頬で、さらにとろんとした甘い目で見られては、普段受け身のオレとて変なスイッチが入ってしまう。

「…ん」

下から添えるように胸を触る手に反応してしまうが、それよりも甘えた目で顔を近づけてくるレッドに目がいった。
ああ、また、キスがくるのかと思った時に、ふとレッドの体勢が気になった。
オレの首に回していた手を床につき、身を乗り出して顔を近づけるレッドは今、オレの目線よりも下にいる。
そうして必然的に上目使いになったレッドの、ボタンのふたつ外れたワイシャツからは白い肌がのぞいていて。

(あ、なんか、やばい)

普段レッドはこんな感じでスイッチが入るのだろうか。
オレの頭の中で確実に、何かのスイッチが押されてしまった。

「え?」

近づいてくるレッドの後頭部に手を添えて引き寄せ、そのまま唇に口付けた。
オレの肌をなぞる手を掴み、ついでに床についたもう片方の手もとってまとめてしまう。
痛くないようにとふわりと押し倒したカーペットの上で、レッドはきょとんと瞬きしていた。
ちなみに言い忘れていたが、今のところ力比べでは僅差でオレが勝っている。

「今日は、レッドが下」

な、と笑ってみたら、レッドがあわてて身をよじった。

「今日は、痛いわけじゃないんだろ?」

「痛くは、ないけど…っ」

レッドのお腹に手を当てて、するすると撫でてみる。
オレは肝心なことをすっかり忘れていた。
そのまま手を上にと移動させて、今度はレッドのワイシャツのボタンを外していく。
下着ごしに胸をなぞると、レッドの体が大きく震えた。

「やっ、グリ…」

「生理中ってさ、敏感になるって、よく言うじゃん」

忘れてたよ。なんて。

「だから今日は、レッドが下な」

いつものお返し、と言わんばかりに口元をつり上げたオレは、とりあえず彼女を包む邪魔な制服を取り払ってやることにした。

















おたがいたべごろ


















*****
ついにやっちまった
後悔はしてない





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