「ねえ、レッドさん。レッドさんは、どんな時に幸せを感じますか」

「いきなり、なに」

「いや、ただなんとなく気になっただけです。たとえば、どんな時です?」

「…ポケモンたちの、毛づくろいしてた時、かな」

「あはは、レッドさんらしいです」

「ゴールドは?」

「あ、おれですか?おれはですねえ、めったに表情筋を動かさないひとが、おれの冗談にちょっとでも笑ってくれる時だったり、全然関心がないようで、ちゃんとおれの話をおぼえていてくれた時だったり、あとは、目が合って、それをそらさずにちゃんと見てくれる時とか、ですかね。いろいろありますよ。…まあ、いちばんは、こうして肩を並べて他愛もない話ができることを幸せに感じますけど」

「お互い、安上がりだね」

「でしょう?」

「俺も、もうひとつあったよ」

「なんですか?」

「……ひみつ」

「ちょっと、ずるいですよ!ちゃんと言ってください」

「言わない」

「…もう、卑怯だなあ」

「……そうやって、ころころ変わるきみの表情を見てるとき」

「え?」

「なんでもない」

「うそだあ」

「……ねえ、ゴールド。これで俺が生きてたら、もっと、幸せだったんだろうね」

「……早い話、要は、おれがレッドさんと同じになればいいんじゃないですか」

「そんなことしたら、きみが極楽浄土に行けないように呪ってやる」

「なんかマジで地獄に落ちそうなんで、やめてください」

「ゴールド」

「はい」

「待ってて、って言ったら、きみはどのくらい待てる?」

「そりゃもう、飼い主から“よし”の合図が出るまで待ちますよ」

「そう」

「待ってますよ」

「…うん」

「レッドさん」

「なに?」

「すきです」

「うん、俺も。…だから、待ってて」

「はい。喜んで」















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すいません、死ねたでした
幽霊赤さんと、金





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