もうずいぶんと長いこと、あなたの影を追いかけて走っていたような気がする。かかとが擦りむけて、爪先に血がにじんで、それでも走って、走って、ずっと探していた。どのくらい経ったんだろう。やっとの思いでたどり着いた時にはあたしの足はもうボロボロで、あなたの後ろ姿をただただ眺めて佇むばかり。日の光に透けて半透明に輝くあたしを見て、傍らに寄り添う旅のパートナーは静かに泣いていた。ああもう、あたしの声は届かないんだね。

「ずっとずっと、大好きだったよ」

あなたは振り向いて何かを言おうとしていたけれど、ごめんなさい、もう何も聞こえないよ。
本当に、これでサヨナラなんだね。
最後にこぼれた涙は、あたしとあなたの、別れのかたち。 








いつか、またどこかで会えたらなって、思うの。













***
幽霊になってもNを追いかけていたトウコと、戻るのが遅すぎたN





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