まんなか



滝夜叉丸の曰く。

久々知先輩、尾浜先輩、竹谷先輩と、三木ヱ門と忍務になった時のことだ。何がきっかけだったかはもう忘れたが、尾浜先輩と竹谷先輩が少し言い合いになった。
私と三木ヱ門は慌てたが、そこに入ったのが久々知先輩だった。久々知先輩は尾浜先輩の腕を引いて「勘右衛門」と名前を呼び、次に竹谷先輩に顔を向けて首を横に振った。注意するように。すると尾浜先輩は肩をすくめて「はいはい」と頷き、竹谷先輩は渋々頷く。それだけだ。
それだけで、尾浜先輩と竹谷先輩は言い争うのをやめた。その後は険悪になることもなく、私達は無事に任務を終わらせた。



仙蔵の曰く。

実習で留三郎と三郎と兵助の四人で組んだことがある。班で札を取り合うものだったが、武術よりも騙し合いに重きを置いた実習だ。三郎も兵助も騙すことは得手だと知っていたので、私は二人を中心に策を練った。
「三郎、本気でやれよ」始まる間際、兵助が口角を上げて三郎に言った。三郎は兵助を見て楽しそうに微笑む。「もちろん。久しぶりの君との実習だしな」「三郎の心理戦、勉強になることが多いから楽しみにしてるよ」「……こちらこそ」兵助の言葉に、三郎は嬉しそうに目を細めた。
無論、実習は大成功を収めた。





守一郎の曰く。

不破先輩と久々知先輩が二人でいるところを、最近よく見かける。なんとなく珍しいなと思って話しかけると、勉強をしていたらしい。近く二人で組んで実習があるとか。
「兵助は優秀だからさ、僕も真面目に予習しないとついていけないんだよね」笑いながら言った不破先輩に久々知先輩は苦笑していた。「雷蔵も優秀なんだから変に謙遜しなくていいのに。迷うだけ選択肢が出てくるってすごいんだから」久々知先輩の言葉に、不破先輩は目を細める。なんだかすごく嬉しそうに見えた。




文次郎の曰く。

五年生と六年生での合同忍務が行われた。概ね上手く行っていたのだが、いろいろあって敵の忍に囲まれてしまった。
全員がそれぞれ対応していたが、中でも一番動いていたのは兵助だ。山の中で仲間を守る戦い。兵助の得意分野だからだろう。
そんな兵助を守るように、勘右衛門と三郎が兵助を死角から狙う敵を倒していく。更に雷蔵と八左ヱ門が、周辺の敵を狙っていく。俺達にとっては見慣れた布陣。当たり前の連携に、敵は為す術もないようだった。




木下先生曰く。

いつからだったか。もしかすると最初からだったかもしれない。
今の五年生は忍一族の出身者が多く、一年生の頃から優秀な者が揃っていた。中でも三郎の成績は頭ひとつ飛び抜けていて、家名も有名だったのでどこか「あいつには勝てない」という空気が学年共通で漂っていたのだ。
しかし兵助だけは、最初からそんな空気に流されることはなかった。ただひたすら淡々と、己を磨いていた。幼少期から身につけていた寸鉄の腕と体幹はこの学園一だと、今でも思うのは教師バカだろうか。
だからこそなのか、あいつらはどこか兵助を中心に置いていることが多い。兵助を信頼し、兵助に影響を受けている。
それが良いことなのか悪いことなのか、今は判断がつかないが。良い未来へ向かえば良いと、ずっと思っている。









――
久々知兵助を取り巻く五年生の話。
まだ観てないんですが10弾でまた左右がちょっとギスる場面があるそうで、あと豆腐の謎の段と8弾の五年生について改めて。五年っていうか久々知と周り。尾浜の武器理由がアレなのでもういっそ全員久々知に影響受けてればよくなぁい?と思って……

前memoにそれぞれの武器の距離を書いたんだけど、やっぱ五年バランス良いよね
公式で雷蔵は久々知のフォローをすると尼子神から明言されてて、尾浜の武器選択理由がアレで、竹谷は五年対六年で久々知をフォローしてて……んで、鉢屋の武器も久々知をフォローできると思うんですが……どうなんかね?短距離広範囲攻撃武器
って思うと、アニメ軒丸瓦は五年生という関係性の縮図なのかもしれないね!妄言です。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

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