妖怪パロ的なもの






穏やかに笑む桜の花を愛でる人の子達を眺めながら、兵助はのんびりと春の風を楽しむ。
甘い団子や餅、愛情がたっぷり込められた弁当を食べながらやんややんやと騒ぐ人の子達は皆楽しそうで、見ているだけの兵助も自然と口角を上げた。
ここ最近は自分の子である精霊達も平穏な毎日を過ごしており、遠い場所に住む勘右衛門や三郎達が起こす面倒事に巻き込まれることもない。

争いは酷く疲れるし、下手をすれば人の子を傷つけてしまう。
必要な争いも時にはあるが、自分の疲れることはしたくない。
平和を好む木の神は、のんびりと欠伸をかみ殺した。

「兵助さまー!」

木の根元から声をかけたのは、兵助の社で小間使いのようなものをしている伊助だ。
ふくふくと柔らかい頬を綻ばせながら、伊助は手に持っている包みを見せた。

「三郎次先輩と一緒にお弁当を作ったんですよぉ。タカ丸さんも一緒に、みんなでお花見しましょう!」

その言葉に、兵助は目元を柔らかく緩ませる。
いい案だ。たまには人の子と同じように、美味いものを食べながら花を愛でるのも悪くない。

「いいな。特別な酒も出そう」
「わあ、タカ丸さんも喜びますよ!」
「ただ、あいつは適量じゃないと悪酔いするからな」
「そのへんは僕がしっかり見てますよ!」
「ふふ、そうか。頼もしい子だ」

木の神とその子供は顔を見合わせて笑い合うと、ふわりと風に乗ってその場から消えた。






――
妖怪パロ的なものを書きたいのだけどなかなか話が出来ない今日この頃。

一応設定的なものとしては、三郎が狐の神様、雷蔵が野良狐妖怪、八左ヱ門がちっちゃい人の子で三人は一緒に暮らしてる。勘右衛門は鳳凰でいろんなところをふらふらしてる。
六年は兵助よりも位の高い神様とか妖怪。
みたいな設定で書きたかった。まる。

いつか書けたらいいなー。(願望)




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