兵助と特攻の最期
*戦争パロっぽい感じ
*転生・死亡を仄めかす描写
撃鉄を起こし、目の前の大きな鳥を落とす。
いずれは我が身。その前に出来るだけの数を。
国のため、自分の守るもののため。
既に仲間のほとんどが死に、残るは自分と数機体のみ。
戦の理不尽さは、昔自分が生きていた頃から知っていた。
昔よりも機械や火薬の精度が上がり、昔よりも大量に死人を出すことができる。
それでも人は戦うことをやめない。
それぞれに守るものがあるのだから。
大きな爆発音が鳴る。
ああ、自分もここで終わりのようだ。
自分の乗っていた機体がバラバラになっていく。
身体が落ちていく。
頭に浮かんだのは、昔から共にいた仲間達の顔だった。
とうに死んだ者もいれば、違う場所で生きている筈の者もいる。
自分と同じく戦闘機に乗ったあいつも、今はもう海の中だ。
「……またいずれ、どこかで」
きっと戦は無くならない。
それでも、人はいつだって平和を願っていた。
諦めなければきっと、いつの日か。
平和な世で再会できればいいと。
最期に見た空はどこまでも高く、どこまでも青く澄み渡っていた。
――
ボカロのとある曲を聞いてふと考えたもの。
戦争って難しいですよね。理不尽なものではあると思っていますが。
国を守るため、家族を守るために、命を懸けなくてはいけない。
今では戦争が悪いものだと言われていますが、きっと当時の人達にはその手段しかなかっただろうから善悪の認識なんて無いだろうし。
だからこそ、戦禍の時代を生きた人達の話は後世にも語り継がなくちゃいけないんでしょうね。
戦争ものは必ず泣くので苦手なんですけどね。