焔硝蔵攻防戦うぃずタカ丸






ガン、と交差した苦無。
取り出したところすら見えなかったそれに思わず息を呑むが、二人の視線はお互いから動かない。
みしみしと震える腕と無言の睨み合い。
先に口を開いたのは立花先輩だった。

「先輩になんて態度だ」
「だったら火薬くすねてくのやめてください」
「可愛い後輩の実力を試すのは悪いことではないだろ?」
「可愛いと思うなら、何もしないでほしいんですけど」

久々知くんと対峙している時の立花先輩はいつも楽しそうだ。久々知くんはめんどくさそうな顔をしてるけど、目の奥は爛々と輝いている。
冷静で温厚なこの年下の先輩が意外と好戦的ということは、結構知られてない。

苦無が風を切る。
後ろに軽く跳んだ久々知くんに立花先輩は容赦なく苦無を突く。
持っている苦無で軌道を反らしながら、久々知くんは極力その場から動かないようにしているようだった。
立花先輩は苦無を弄びながら久々知くんに攻撃する。
すごく愉しそうだ。





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