小平太対兵助組手






小平太は楽しげにどんぐり目を瞬かせた。
右に蹴りが入ったかと思えば、上から拳が落ちてくる。
掌底が打たれたと思えば回し蹴りが飛び、避ければ肘打ち。
息を吐く間もなく次々と繰り出される攻撃。
見た目に反して意外と重いそれに、そういえばこいつの得物は寸鉄だったと思い至る。
楽しい、と全身で表す獣のような先輩に、先輩だということも忘れて兵助は面倒くさげに舌を打った。
大らかな先輩はそれも楽しいようでけらけらと笑う。

「文次郎に聞いたが、面白いなあお前は」
「……何を聞いたのか知りませんが、ぼくは面白くありません」
「なははは!」

友人達が皆忙しいからというだけで偶然五年を見つけた小平太にほぼ無理矢理連れてこられた兵助は溜息をつく。
そこには八左ヱ門も三郎もいたのに、唯一委員会の無かった自分を連行するあたりはさすがといえるが……それにしても面倒だ。

体勢を立て直して、兵助はまた足に力を入れる。
内心では文句や不満を言いつつも、兵助の大きな目もまた小平太と同じように楽し気に煌めいていることを兵助は知らない。





――
思ったんだけど、忍者の本分は「戦わない」ですよね。
闘うのは最終手段、って言ってたし。
ってことは、三郎って戦いを回避することがうまいんじゃないの?
だから不敗神話とかあるし成績も優秀なんじゃ……
という考えから兵助対小平太。
意外と純粋な武器無し組手とかなら兵助の方が強かったりしたら滾るね!




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