潮江と久々知の組手





躊躇いもなく顔面へ伸びてきた腕を片手で塞ぎ、足払いされる前に後ろへ跳ぶ。
休む間もなく間合いを詰められて少し焦る。
でもそこは先輩の意地ってことで。


「っ!」
「うっわ、今のよく避けられたな……留三郎でもやっと避けるんだぞ」
「そりゃあ、嬉しいです、ねっ!」


背後からの攻撃も軽々避けた久々知はそのままの姿勢で突っ込んでくる。
捨身かと一瞬焦るも、足に力を入れたことが分かり横に跳んだ。
直後、自分がいた場所に横蹴りを入れる久々知。
あの体勢でバランスを取れるなんて、猿かこいつは。


「よく分かりましたね」
「軸足に力を入れてるのが分かったからな。ギリギリだったが」
「あー、軸足……さすが潮江先輩」
「なんだ、もう誰かに使ったか」
「食満先輩には当たりましたよ、まあ防がれましたけど」
「お前、留三郎とも組手してんのか」
「食満先輩だけじゃなく、いろんな先輩にご教授いただいてます」


通りでさっきから見たことある技が多いと思った。
そりゃあもっと鍛錬しとかねえと、こいつの成長スピードは恐ろしい。うかうかしていたらあっという間に抜かれそうだ。



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