五年生ほのぼのお題

title by「ともだち‐ほのぼの‐」君想歌




・たまたま席が隣で

「よろしく!」
明るく笑った君に恐る恐る挨拶を返した。
君は優しい微笑を浮かべて、そうしてようやく名前を知った。
穏やかな印象とは裏腹に、強そうな名前。

君みたいになりたいと、漠然と思った。
(この時から私は、君に憧れていたらしい)





・約束した仲じゃないけど

見晴らしの良い丘の上。
さらさらと流れる桜の下で。

「久しぶり!」

揃った声は、五つ。

(数年後の未来)





・困った時はいつだって

終わらない書庫整理とか、
明日までの宿題とか、
逃げ出した虫とか、
化粧の仕方で迷ったとか、
豆腐をぶちまけたとか。

(真っ先に浮かぶ顔)





・空気みたいな存在

ずっと前から読みたかった本が入荷して、早速借りて部屋に閉じこもった。
徹夜コースだけど、まあ仕方ない。明日は座学だけだから大丈夫だろう。
そう思って、僕は本の世界に没頭した。

「……あれ?」

扉の隙間から入ってきた光に気付いて、ふと周りを見渡す。
いつからいたのか、いつもの四人が周りで眠りこけていた。

(当たり前のように在る)





・たとえ離れていても

「集まれー!」

学園に響く声に、知らない者は何事かと声のする方へ顔を向け、知っている者はああまたかと苦笑を零す。
声を発したのは藍色の衣を纏う特徴的な髪の少年。
すると五秒も経たぬうちに、彼の傍に四つの影が現れる。
それぞれ面倒くさげな顔をしているが、特徴的な髪の少年は何食わぬ顔。

「木下先生から呼び出しでーす。生物委員会の子が逃げました!」
「「はあ!?」」
「マジか!」
「今月何度目だこの馬鹿!」
「というわけでこれから探すお手伝いをします! ちなみに手伝わないと明日の演習の準備が間に合いません」
「「生物委員会このヤロウ!!」」

わあわあと騒ぎながら、五人はそれぞれ駆け出した。

(どこにいても一声で)







――
リハビリ。随分と書いてませんので、なんだかポエミィな感じになってしまった。うむ。





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