三郎と五年で悪戯っ子お題

title by 「悪戯っ子に10の御題」10mm.




01.なんともありがちな悪戯

雷蔵先輩が雷蔵先輩じゃなかったんです、と涙ぐむ一年生の頭を撫でて。
とりあえず雷蔵がマジ切れしているので池に沈めようとしたら止めよう、と八左ヱ門と兵助は頷いて。(勘右衛門は爆笑しているだけなので)
全力で逃げ回っている変装名人を、捕まえる算段を立て始める。
全く、悪戯するなら最後のフォローまでやれ!





02.まずは計画から!

「兵助には豆腐をぶつけて、八左ヱ門には虫をぶつけて、勘右衛門には後輩ぶつけて、雷蔵には二択問題をぶつける……完璧だろうこれ!」
「逃げる計画するなら最初から悪戯しなきゃいいのに」





03.準備に余念はありません!

変装道具は常に万全。
だっていつ誰を驚かせられるか分からないだろう?





04.飛んで火に入るナンとやら

「お。ちょうどいいところに」
笑みを浮かべる六年生を前に走馬灯を見たのは何度目か。
けれどそこに苦笑を浮かべる友人がいたものだから、これは計画的犯行なのだと知れた。
「鉢屋、お前また予算改竄しただろう」
「げ。いや、ナンノコトデスカネ」
「棒読みでいうな棒読みで」
ぼきぼきと拳を鳴らす先輩方はとても良い笑顔だ。
予算関係ならばあの二人は助けてはくれまい。どちらかというと先輩方の味方だ。
くそう、学級委員長委員会ってこういう時困る。





05.悪戯成功!!

パンッパンッと乾いた音が四つ。
「「誕生日おめでとう!」」
なんて言葉と四人の笑顔に、どうしようもなく。





06.説教?罰則?お仕置き?

もうそろそろガツンと言った方がいいよ、と友人達が言うから。
「説教ったっていつも兵助がしてるし、そもそも今更聞かないとも思うし、罰則は木下先生が生物小屋の掃除とかトイレ掃除とかさせてるし、だけどやっぱり意味ないし、お仕置きってなんなのなにすればいいの。引っ叩いたり踏んづけたり顔剥がしたりしたらいいのか?」
「雷蔵になら全て喜んで!」
「「変態」」





07.手に負えないから困りもの

え? あいつの弱み? そうだなあ……。
あいつ昔、毎日のように悪戯して毎日のように怒られてたことがあってね。
そしたらある時、うちの学年の一番の天然が言ったんだ。
「毎日名前呼ばれてるから、どんなに変装してもお前が消えることは無いよ、大丈夫」
って。
そうしたらあいつ、顔真っ赤にしてさ。
全く寂しがりなんだから困ったもんだよね。
なあ、変装名人?





08.400字以内で言い訳を!

「“反省文 鉢屋三郎”だって」
「の、割にはぺらい」
「え、どうしろと? 読めって?」
「ぶはっ、ちょっ、馬鹿……! あいつ馬鹿の天才だ……! 反省文なんか貰っても困るだけ……! ほんと、なにあいつ……!」
「さぶろー、勘右衛門のツボに入ったから暫く帰ってくんなよー」
「今帰ってきたら勘右衛門笑い死にするからなー」





09.たまには役に立つんです

するりと顔を撫でるだけで造形が変わるそれに、今更驚く者はこの中にはいない。
「掴んできましたよ。やっぱり真っ黒ですね」
不敵な笑みと非の打ちどころがない情報。
ああやはり彼は天才なのだ、と今更のように思った。





10.一発ド派手に打ち上げてやろうじゃないか

「下級生をここに集めてー」
「先輩方はこっち!」
「で、先生方はこのあたりかな」
「火薬委員は準備できてる?」
「こっちはいつでも。あとは頼むぞお前ら」
「よし、行くぞ!」

「「お祭りじゃああ!!」」

悪戯学年、始動。







――
割といいリハビリになることに気付きましたこのお題遊び。
そしてやっぱり五年生は書いてて楽しい。




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